【動画】サックスコンで日本一 石巻西高の菊地さん 中学生の部に次ぎ2年連続
サックス奏者による全国大会「第7回Kサクソフォーンコンクール(Kサクソ)」で、ソプラノサックス奏者の菊地恋さん(16)=石巻西高校2年生=が高校生の部で日本一に輝いた。昨年、中学生の部で日本一となり、高校でも初タイトルを手にした。コロナ禍で動画審査だったが、伸びやかで広がりのある演奏が審査員から高く評価された。【山口紘史】
小学5年でサックスを始め、湊中時代も吹奏楽部に所属。本来は卒業と同時にサックスも辞めようと考えていたが、当時の顧問、加藤仁久さん(66)が「このまま終わるのはもったいない」と、菊地さんに第6回Kサクソの出場を勧めた。
コロナ禍で審査と結果発表が年度またぎとなったが、高校進学後の昨夏、中学の部で日本一になったことが分かった。これが高く評価され、昨年度の石巻市特別表彰にも選ばれた。
今回の第7回Kサクソも加藤さんの勧めで応募。高校生で臨む初の全国大会はコロナ禍で昨年に続いて動画審査となった。演奏曲はバッハの「シンフォニア(パルティータ第2番より)」を選び、加藤さん宅で強化練習に打ち込んだ。
高校では吹奏楽部に属さず、公での演奏はアンサンブルコンテストなどで同校の補助要員として出る程度。「私の演奏が全国の高校生を相手にどこまで通用するか、試すだけのつもりだった」と菊地さん。「1位を狙うなんてとんでもない。入賞できたらと思うくらいだった」と応募時の心境を語る。
全国規模のコンテスト「Kサクソ」で高校生の頂点に立った菊地さん
そして先月末、大会本部から結果が告げられ、高校生の部で1位になった。中学生に次ぐ2年連続の頂点。審査員からは「奏法が良く美しい音色」「良い手本を聴き、勉強したことが伝わる」と高評価だった。菊地さんは「高校生の初タイトル獲得はうれしい」と喜びつつ、「昨年の日本一はまぐれじゃなかった」と胸をなでおろした。
成長を見守り続けてきた加藤さんは「恋(菊地さん)の演奏は曲を自然な流れできれいに響かせるので聴いていて落ち着く。それが審査員の目にとまったのだろう」と分析。それでも「まさか高校生部門でも1位になるとは」と驚いた。
菊地さんの後輩で共に加藤さんのもとで腕を磨くトロンボーンの佐藤真瑠さん(湊中2年)は「さすがという感じ。私も努力して全国で賞を取れるよう頑張る」と意気込んだ。
菊地さんは団体でのコンサートやコンテストに出場し、腕を磨きながらソロでの大会出場も見据える。「根を詰めず、コンテストも趣味の延長くらいに思って楽しむことを忘れず演奏活動をしていきたい」と話していた。
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