設備充実 快適冬キャンプ 雄勝Forest・プレオープン 喧騒忘れ自然と向き合う
密を避けるコロナ禍では、屋外で楽しめるキャンプが老若男女問わず人気だ。昨年は石巻市雄勝町に民設の「雄勝Forestキャンプ場」がプレオープン。初心者にうれしい電源付きのオートキャンプサイトをはじめ、家族向けのコテージ、ソロキャンプの区画もあるほか、バーベキューセットの貸し出しやシャワー設備も整い、気軽に大自然を楽しめる。運営する㈱大槻組の大槻敏也社長は「今の時期は空気が澄み、星もきれい。冬季キャンプも楽しんでみては」と呼び掛ける。
キャンプ場は、かつて石巻市雄勝森林公園があった場所。震災前は野外活動の場として貸し出され、雄勝の豊かな自然を満喫できるとして評判だった。
震災後は仮設住宅用地となり、撤去された後は公園利用者が震災前ほど戻らず、市は民間に運営を移行し、無償で貸し出すことを決定。地元土木業者の大槻組が「皆が伸び伸び遊べる場にしたい」とキャンプ場を整えた。
電源付きのオートサイト(日帰りデイ2千円、1泊4千円)は、暖房器具など家電製品も持参できるため、初心者にも優しい。区画が割り振られたサイトやフリーサイト(いずれもデイ1500円、1泊3千円)は中、上級者やソロキャンパー用。バーベキューセット貸し出し(1千円)やシャワー(40分500円)、ドッグランコースもあるほか、鹿が飼われており、間近で観察できる。
最大8人宿泊できるコテージ(1泊1万5千円)は5棟あり、家族層に人気。冷蔵庫やガスコンロ、電子レンジや調理器具などがそろい、2段ベッドや風呂、冷暖房も完備され、別荘感覚で楽しめる。6人目以降は追加料金で中学生以上2千円、小学生1千円。
今春まではプレオープン期間とし、利用者の声を聴きながら利便性を高めていく。ゆくゆくはレストランや売店も設置する予定だ。
キャンプは夏場と思いがちだが、空気が澄んだ冬もおすすめ。まばゆい星が頭上に輝き、大自然に囲まれた非日常の空間は喧騒を忘れさせてくれる。「幅広い世代に愛される施設にしたい」と大槻社長。市から無償で借り受けたものの、キャンプ場の整備費用に約5千万円投資しており、その本気度が感じられる。
大槻社長は「赤字は覚悟の上。地域内外の人に雄勝の豊かな自然を楽しんでもらえれば十分。道の駅にも立ち寄ってもらい、まちの魅力発信につなげられたら」と地域愛ものぞかせていた。
予約、問合せはキャンプ場管理事務所(0225-57-3544)、または管理スタッフ(080-8210-5878)まで。【山口紘史】