見出し画像

建物老朽化と競争激化 Aコープ矢本店が閉店 半世紀に幕「愛して通って感謝」

 東松島市矢本で生鮮食品などを販売し、地域の台所を支えてきた「Aコープ矢本店」が25日、半世紀近い歴史に幕を閉じた。雨天となった最終日も午前10時の開店前から多くの市民が野菜などを買い求め、店員らと思い出を振り返る姿も見られた。同店の閉店で、石巻地区にあったAコープは全て姿を消した。【横井康彦】

Aコープ矢本店  半世紀の歴史に幕を閉じたAコープ矢本店

半世紀の歴史に幕を閉じたAコープ矢本店

 農協系スーパーの同店は、昭和49年にいしのまき農協が所有する建物を借りて営業し、国内産の精肉をはじめとする食料品、日用品を販売。また、併設する農協直売所も地元の新鮮な野菜が買い求められるとして人気を呼んでいた。

 周辺に他の大型スーパーが進出するなど競合が増え、施設の老朽化も顕著となり、経営状況を鑑みて立て直しや改修を断念。10月の賃貸契約更新前に閉店することとなった。パート、アルバイト従業員20人は雇い止めとなり、正社員は県内他店舗に移る。

Aコープ矢本店  最終日は売り尽くし。全品感謝の価格で届けた

最終日は売り尽くし。全品感謝の価格で届けた

 最終日も食料品を買い求める市民が店内を惜しむように歩き、今後についてレジ担当者らに聞く姿も見られた。市内から訪れた80代女性は「自宅から7キロと離れていたが、全国に自慢できる東松島の野菜を買い求められる場所として使ってきた。本当は野菜だけでも続けてほしいが、閉店は残念」と惜しんだ。

 後藤怜副店長(26)は「お客様から『生鮮食品がおいしかった』『産直野菜を買えて助かった』『無くなったら困る』などと声を掛けていただいた。閉店は申し訳ないが、愛して通っていただき感謝したい」と語っていた。


現在、石巻Days(石巻日日新聞)では掲載記事を原則無料で公開しています。正確な情報が、新型コロナウイルス感染拡大への対応に役立ち、地域の皆さんが少しでも早く、日常生活を取り戻していくことを願っております。



いいなと思ったら応援しよう!

石巻Days(石巻日日新聞社公式)
最後まで記事をお読みいただき、ありがとうございました。皆様から頂くサポートは、さらなる有益なコンテンツの作成に役立たせていきます。引き続き、石巻日日新聞社のコンテンツをお楽しみください。