「障害者でなく人間として」 聖火走者の相澤さん 母校矢本西小で講話
東京五輪聖火ランナーを務めたデフラグビー日本代表の相澤一志さん(27)=東松島市矢本=は13日、母校の矢本西小学校で後輩たちに聖火リレーのトーチや日本代表ユニホームを披露した。
相澤さんは幼少期に感音性難聴となり、現在は補聴器を付けて暮らす。宮城水産高校時代にラグビーと出会い、震災後、聴覚障害者の「デフラグビー」の練習に参加したことで才能を認められ、香港遠征の日本選抜を皮切りに活躍している。宮城県を舞台とした聖火リレーでは東松島市の第1走者として仙石線東名駅前から200㍍を走った。
相澤さんは4―5年生110人を前に講話し、中学時代に経験したいじめと助けてくれた友だちや先生の存在、デフラグビーに挑戦したことで見えた自分以外の障害者の存在を振り返った。
児童に自身が使ったトーチを持たせた相澤さん
聖火リレーの志望動機では「地域の人たちと喜びを分かち合いたいと応募した。コロナ禍で1年延期になった時はショックだったが、多くの人に走る姿を見てもらいうれしかった」と相澤さん。
「記念にと7万2千円で購入しました」とトーチを紹介し、実際に子どもたちに重さを体感してもらった。最後に「これまでいろいろあったが、何もしないより、まずチャレンジしてほしい。周囲も応援してくれる。これから障害者と出会うこともあるが、一人の人間として接してほしい。目に見えない障害の人もいる。障害者、健常者が仲良く人生を歩めるようになってほしい」と呼び掛けた。
講話後には、児童から「ユニホームが見たい」「ボールはどこで買った」「手話はできるか」など質問攻めにあっていた。5年生の及川幹太さんは「苦難を乗り越え、挑戦し、聖火ランナーに選ばれた本当にすごい人だとわかった」と目を輝かせていた。【横井康彦】
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