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駆けて踏んで一石二鳥 ベガルタサッカー教室 野蒜の麦畑で日本初?

 東松島市野蒜の農業生産法人(有)アグリードなるせ(尾形和利社長)の麦畑で10日、「日本初?東松島ベガルタ麦踏みサッカー教室」が開かれた。〝麦踏み〟は麦が強く育つために欠かせない作業。地域内外から小学生を中心に17組40人の親子が集い、麦の成長を願いながら駆け、入念に畑を踏み回った。尾形社長は「皆の協力のおかげで来春は立派な麦ができるだろう」と笑顔で語っていた。

 同社は震災後、被災した野蒜の農地約100ヘクタールで「ニューサチホゴールデン」という品種の大麦を栽培。これをまちづくり団体の一般社団法人東松島みらいとし機構(HOPE)が買い取り、東松島地ビール「グランドホープ」や、ウイスキー、菓子の原料にしている。

青々とした麦畑でサッカーを楽しむ親子

 麦踏みは健康な大麦を育てるために不可欠な工程。冬の間に麦の幼い茎葉を上から踏みつけることで、根の浮き上がりや風による土の移動を防ぎ、土壌水分・肥料吸収の活性化と耐寒性・耐干性の強化にもつながる。収穫は毎年6月頃という。

 通常はローラーをつけたトラクターを走らせるが、今回は「子どもの遊び場創出」と「地場産品への理解」を目的に、サッカーと麦踏みを掛け合わせたイベントを同社とHOPEが初企画。J2のベガルタ仙台も協力し、教室は小中高校生を指導する同仙台アカデミーコーチが主導した。

 この日は約1.2ヘクタールの畑を対象に実施。アグリード社員から麦踏みの意義を教わった親子は、ドリブルやチーム対抗リレーなどを楽しみつつ、青々とした麦畑を「これでもか」と踏み回った。ベガルタのユニホームを着て母親と参加した仙台市青葉区の菅原松太君(5)は「畑でやるサッカーはすごく楽しい。麦も大きく育ってほしい」と話していた。

 汗を流した後は、ベガルタの選手のサインを景品にしたじゃんけん大会があった。また地場産野菜をふんだんに使った豚汁も振る舞われた。

 HOPEの渥美裕介代表理事は「屋外ゆえ密になりにくく、コロナ禍でも気兼ねなく楽しめる企画。『麦畑でサッカー』は多分、日本初。地場産業に理解を深め、良い思い出にしてくれれば」と話していた。【山口紘史】





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