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縄文村資料館・開館30周年 3年かけ最古の丸木舟完成 延べ1千人石斧振るう

 東松島市の奥松島縄文村歴史資料館(菅原弘樹館長)の開館30周年を記念した祭りが30日、同市宮戸の同館で開かれた。記念事業として3年前から制作してきた「縄文の丸木舟」のお披露目と進水式があり、多くの利用者が見守る中、舟が水面に浮かび、節目に花を添えた。

 同資料館は里浜貝塚(平成7年に国史跡)の保存、活用やまちおこしの核となることを目的に平成4年に開館。平成17年に来館30万人を達成し、20年には「さとはま縄文の里 里浜貝塚史跡公園」がオープン。塩作りや火起こしなど多くの体験イベントも催されてきた。

30周年記念事業で丸木舟を浮かべた

 開館10周年で竪穴住居を整備し、20周年は震災の影響で記念行事は見送った。30周年に向けて住民から全長7.5メートル、直径65センチのモミの木の提供を受け、資料館でのイベントやオルレ参加者ら延べ1千人に3年かけて丸太をくり抜いてもらい、工具に石斧を使うなど当時の工法で丸木舟を制作した。

 セレモニーでは渥美巖市長が「開館30周年の節目に、秋の宮戸を堪能してほしい」と語り、菅原館長が丸木舟を説明。「全国では174の丸木舟が見つかっているが、宮城での発見例はなく、里浜の縄文人がどのように利用していたかは不明。制作中、本当にできるのかと言われたこともあったが、無事完成した。安全性を確かめ、今後の活用を検討する」と述べた。

 水を張った広場での進水式では、制作に携わった子どもら3人が乗船。バランスを保ちながらオールを漕ぎ、無事に舟としての機能を発揮すると、見守っていた人たちから歓声が上がった。

 丸木舟作りをはじめ、ほとんどの縄文体験イベントを経験したという仙台市宮城野区の佐藤路空さん(14)は「本当に浮かぶのかという気持ちでモミの木を削った記憶がある。まさか自分が第一号で乗船するとは。無事浮かんで良かった。今後も資料館に遊びにきたい」と話していた。

 同館は開館30周年企画展として、12月25日まで「学史を飾る松島湾の三大貝塚」を開いている。【横井康彦】





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