跳ね返せ物価高「家計応援」 お得な品々 初売り盛況 大型店、商店街で趣向
石巻地方の初売りは大型店が1日、地元商店は2日に行った。新型コロナウイルスの第8波が襲来する中で今年の幕が明け、人々は感染対策を講じながら買い物を楽しんだ。店内では「家計応援」など物価高を意識した文言も目立ち、お得な福袋も数多くそろえた。【外処健一、熊谷利勝、渡邊裕紀】
◆今年最初の運試し
大型商業施設のイオンモール石巻=石巻市茜平=は、年末年始も休まず営業。1日は専門店街も通常より2時間早く午前8時に店を開け、「あけましておめでとうございます」の声と共に多くの客を出迎えた。
今や福袋は中身が見える形式や事前予約制が定着しているが、1日に売り出す福袋や福箱も多く、人気の商品には長い列ができていた。初日の目玉は1万円で最大10万円の商品券が当たる「初夢開運福びき」。開店前の午前7時40分には1千本分の整理券がなくなった。
3万円の商品券を当てた同市大街道北の女性(40)は「初めて当たった。子ども服などを買います」とほくほく笑顔。同市渡波の男性(36)は「10万円で買うものを決めていたのですが、結果は500円プラスでした。たこ焼き買います」と話していた。
◆繁盛へ獅子風流
石巻市中央のアイトピア通りでは、2日の初売りに合わせて景気良く獅子が舞った。
同通り中央銀座会の初売りイベントで、各店舗で限定商品や割引販売を実施。来店客にケーキや紅白餅など景品を進呈し、比較的高額な商品も売れた。イベントは3年ぶりで沢田獅子風流保存会が午前と午後に舞いを披露。商売繁盛を祈願すると、はやしの音に誘われ人垣ができた。
近くに住む高橋あゆ子さん(73)は車がなく、近場で年始の買い物。「獅子舞は正月らしくていい」と笑顔を見せた。銀座会の木村雅俊会長(65)は「商店が減ったが、それなりに良い品を扱い客がついている。経済が好転する兆しがあるので頑張りたい」と話した。
◆にぎわう抽選会
道の駅上品の郷=石巻市小船越=も1―3日が初売り。直売所では購入額1千円毎に1回挑戦できる抽選会を催した。隣接する温泉施設のふたごの湯では、入浴客に先着で特製タオルとウサギ形のせっけんが進呈され、市内外から多くの人でにぎわった。
2日も新鮮な地場産野菜の販売、新年に欠かせない餅、菓子類などが店頭に並んだ。現金つかみ取りや商品券が当たる抽選会では抽選機から色のついた玉が落ちるたびに鐘が鳴り、新年らしい活気に満ちていた。
千葉県から訪れた遠藤孝雄さん(39)は「正月休みを利用して東北を回っている。宮城ならではのずんだもちを買ったので、これから楽しみたい」と話していた。
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