浜焼きで味わう海の恵み 複合施設「海 番屋フジマル」 半島活性化に一役
養殖業者(有)フジマル佐藤商店(佐藤泰智社長)=石巻市小渕浜=は、同浜の県道沿いに食堂、浜焼き小屋、直売所、休憩所を併設した複合施設「海 番屋フジマル」を今月から立ち上げた。カキ、ホヤ、ワカメ、アナゴなど獲れたてを「漁師が考える一番おいしい食べ方」で味わえるのが特長。同社の佐藤秋義会長(73)は「本物の味を多くの人に楽しんでもらい、地域の魅力を発信したい」と意気込んでいる。
■小渕浜・食堂や直売所併設
番屋とは漁師が漁場近くに設ける作業場兼休憩所。早朝から働く漁師のために昼時には浜の女性たちが食事をこしらえ、提供したりする。「小渕浜のおいしい海の幸で胃袋を満たしてほしい」「皆が集まれる場に」という思いから新設の複合施設にも「番屋」と命名。地産地消の拠点とした。
施設は木造平屋で延床面積約1122平方メートル。敷地面積4290平方メートルで、駐車場は約60台分。食堂では海鮮丼や自社で漁獲したアナゴを用いた天ぷら定食、丼ものを提供。直売所ではフジマルの主力である塩蔵ワカメやホヤのほか、圏域業者の水産加工品がずらりと並ぶ。
屋外には、海や山が見渡せる浜焼き小屋を設置。ウニやカキ、ホタテ、ツブなど新鮮な海の幸を炭火焼きで味わい、生ビールやジュースと一緒に楽しめるので、家族連れに人気がありそうだ。休憩所もあり、夏はかき氷やソフトクリームを食べながら、一息入れることもできる。
「牡鹿半島は食堂が少ない。漁師自慢のおいしい食材を提供する施設があれば人も呼び込めると考えた」と秋義会長。「半島活性化の一助になれば幸い。皆が集い、喜ばれる施設になるよう頑張る。16日には十八成浜海水浴場も開場するので、店に立ち寄ってほしい」と話していた。
時間は9―16時(食堂は11―15時)。月曜定休。問合せは同施設(0225-25-4077)まで。【山口紘史】