第6波警戒し連携強化 医療緊急時は行動制限
―新型コロナウイルスは収束のめどが見えず、県内でも変異株による第6波の発生が懸念される。
村井嘉浩知事 オミクロン株が国内でも急速に広がり始めている。今後も新たな変異株が発生し得ることを考えると、外国からの感染者流入による国内での感染拡大は否定できない。国に対しては引き続き、入国者にかかる都道府県への情報提供を迅速、的確に行うよう強く求めていく。
―経済を立て直して県政を発展させる上でも人、物の流動拡大は不可欠。手立ては。
国内状況は「ワクチン接種の進ちょくや医療提供体制の強化などにより、仮に感染拡大が生じても病床ひっ迫は生じにくくなる」との考えに基づき、外出や移動を含めた行動制限にかかる国の基本的対処方針が見直されたことを踏まえ、県でも外出やイベント開催時の制限緩和を行った。
今後、仮に感染再拡大が見られた場合であっても「ワクチン・検査パッケージ制度」の活用などにより、可能な限り社会経済活動と感染抑制の両立を図る方針だが、新たな変異株の発生などによる感染の急拡大で、県内の医療提供体制に支障が出るレベルとなった場合、躊躇なく外出自粛を含めた強い行動制限に移行せざるを得ないものと考えている。
―医療従事者に続いて3回目のワクチン接種も進んでいく。接種体制は。
3回目は1、2回目と同じく実施主体の市町村により、医療機関との調整や対象者の管理など接種体制の構築が進められている。県はワクチンの配分などの広域的な調整や接種の進ちょく管理、専門的な相談体制の運営で各市町村と連携しながら接種体制の整備に努めていく。昨年12月20日からは仙台市中心部に大規模接種会場(東北大学ワクチン接種センター)も開設した。
―知事選で感染防止対策の強化とオール宮城の医療提供体制の確保を約束していた。具体的には。
現在、県内に1250室の宿泊療養施設を確保している。重症者の発生予防のため、抗体カクテル療法の推進などで医療体制の維持に努めてきたが、今後も必要病床の確保を図り、県民の皆さんに適切な医療が提供できるように万全を期す。
―石巻地方を含む医療圏は全国平均より医師、医療従事者が少ない状況。今後の地域医療体制整備の方向性を伺う。
確かに医師、医療従事者のほか、将来必要となる病床数と比較すると回復期機能の病床が不足するなどの課題も抱えている。コロナウイルス感染症への対応では、各医療機関が連携しながら取り組んできたが、地域の医療関係者との協議や連携を通じ、将来の医療ニーズに対応した持続可能な医療提供体制の確保に努めたい。
【外処健一】