第2回マスター決定戦 笑いで石巻を盛り上げる 「きつね日和」85組の頂点
総勢85組がエントリーした「第2回笑いで石巻エリアを盛り上げるお笑いマスター決定戦」(石巻圏観光推進機構主催)は23日、準決勝を突破した2組による決勝戦が行われ、コンビ結成3年目の「きつね日和」が優勝した。2人は芸人として、石巻で報酬20万円分の仕事を獲得。準優勝のコンビ「泣くなよ」とともに観光PRに一役買ってもらう。
昨年12月に準決勝があり、1次審査を通過した35組がオンラインでネタを披露。視聴者投票と事務局の審査で1位となった「きつね日和」と2位の「泣くなよ」が、石巻市かわまち交流センターでの決勝戦に進出した。
2組は5分ほどのネタと、事前に足を運んで芸人の視点で制作した石巻のPR動画を発表。市観光課や日本笑い学会石巻支部、地元報道機関、石ノ森萬画館からの6人がネタやトークのおもしろさ、PR動画の質、将来性を審査した。決勝戦の模様も生配信され、視聴者投票も行われた。
当初は会場に一般客を入れる予定だったが、新型コロナの感染拡大を受けて関係者のみになった。客の反応がつかみにくい中、各コンビともネタの随所に地元の名所や芸能、産物を盛り込みながら審査員の笑いを誘った。
優勝した「きつね日和」はツッコミ担当のおいなり達也さん(27)とボケ担当の松本昌大さん(28)によるコンビ。大会での優勝は初めてという。ネタ作りに定評があり、故・石ノ森章太郎氏に似たおいなりさんの風貌も笑いに生かした。
観光ツアーの案内人やふるさと納税のPRといった活躍の場が与えられた2人は「ここで仕事ができる喜びは大きい。いっぱい好きなところができた。ゴリゴリのコネで仕事したい」と笑わせた。準優勝の「泣くなよ」には10万円分の仕事が約束された。
決勝戦は当初、前回決定戦の優勝者である「あがいん直」さんが司会をするはずだったが、諸事情で欠席。代わりを前回2位で市の地域おこし協力隊である清水一宏さん(芸名・ふあん★がーる)と同3位の「そると」さんが務め、各組の助っ人芸人としてネタ披露もした。【熊谷利勝】
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【取材余話】
審査員に記者抜擢 コメント笑いに変換
いつも取材でお世話になっている石巻圏観光推進機構の山内千代文さんから依頼をいただき、お笑いマスター決定戦の審査員という大役を任せられた。
正直な話、笑いに精通しているわけではない私がなぜ選ばれたのか疑問だったが、山内さんの「石巻を代表する方々に審査員をお願いしたい」という言葉で、私が「石巻日日新聞社」の代表なのだと痛感した。
他の審査員は、石巻の笑いといえば絶対に外せない「笑福仙人」こと、飛翔閣の伏見不二雄会長をはじめ、ラジオ石巻、石ノ森萬画館とほぼ「オール石巻」。それぞれがネタや動画に対して的確に、そしてユーモアを交えたコメントを述べていた。
かく言う私は、そこまで気の利いたコメントができたワケではない。求められたPR動画の評価もそこそこに、髪型や服装に話を切り替えていったが、芸人さんたちはそれをしっかりと笑いに変換し、会場を盛り上げてくれた。プロの技術に助けられたことに感謝だ。今回は「きつね日和」が優勝したが、「泣くなよ」もハイレベルだった。どちらがより刺さったかという微妙な審査に皆、頭を悩ませた。
石巻市を「笑い」で盛り上げる取り組みはこれからも続く。そのクオリティも、徐々に高くなっていると感じている。【渡邊裕紀】