今振り返る 震災10年 写真家鈴木さん、渡邊さん 萬画館企画「つづく展3」
石ノ森萬画館=石巻市中瀬=の第80回特別企画展「つづく展3 石巻に根っこの生えた写真家たちの写真展」が、13日から開かれる。地域で暮らす写真家の鈴木省一さん(43)、渡邊裕紀さん(39)の2人が、それぞれの視点で切り取った石巻の風景を展示する。3月11日まで。
震災から10年を迎えるタイミングで、地域を振り返る写真展を開く
つづく展は、平成29年2月に同館で初めて開かれ、地域に根付いて活動する写真家たち4人の作品を展示。震災前の石巻の風景や漁業者たちの姿、肖像写真、朝の風景などそれぞれが違った表現で石巻を切り取り、反響を呼んだ。同年7月には2回目が開かれ、「リボーンアート・フェスティバル」の連動企画として荻浜小学校での作品展示、JR仙石線マンガッタンライナーでの写真展示などを行った。3回目のつづく展は、震災から10年を迎える地域を、改めて見つめなおす機会として企画された。
鈴木さんは震災後に石巻でボランティア活動し、その後移住。展示作品は「いしのまきのあさと」で、これまで撮り続けてきた地域の夜明けを切り取った作品。暗闇から朝日によって徐々に明るくなっていく中に「命の鼓動」を見出し、作品に落とし込んでいる。「夜が明けていくその瞬間に、希望を感じてもらえれば」と話す。市民らから集めた〝朝の写真〟も展示される。
朝をテーマに地域を撮り続ける鈴木さんの作品
渡邊さんは石巻市在住で石巻日日新聞社の記者。取材の合間や休日などに撮りためた地域の何気ない風景、震災直後からの変遷を撮り続ける。展示作品「PASTGRAPH B・C」は震災10年を迎える石巻を改めて振り返る内容で「前に進んできた古里の底力や美しさを表現できれば」と語る。同市中央の石巻ニューゼでは前回展示した震災前の石巻の風景作品「PASTGRAPH A」も連動して再展示する。
問合せは同館(0225-96-5055)まで。
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