休日以上、例年のGW未満 石巻地方の人出 コロナ禍「近場・屋外」主流
新型コロナウイルスの感染拡大後2度目の黄金週間(GW)を迎えた石巻地方。ワクチン接種が進んでいないことに加え、外出自粛やまん延防止等重点措置なども出されていることから、地域外からの客足は減っている。一方、主要観光施設には石巻圏域内に住む家族連れの姿が幾分多く、「地元で楽しめるところ」を選択して休暇を楽しむ意識が広まっているようだ。
感染防止措置で昨年のGWを休館とした石ノ森萬画館も、今年は施設入り口での消毒徹底など対策を講じることで、市内外から観光客を受け入れた。石巻市かわまち交流センター前にはマンガロードを紹介する「まちなか案内所」も設け、萬画館へと続く通路上にも、キャラクターなどに関するクイズを置き、施設内外で楽しめるよう工夫した。
昨年休館した石ノ森萬画館も今年は例年通り営業
GWイベント期間初日の1日は、宮城県沖での地震の影響で客足が乏しくなったものの、2日は多くの来場者が訪れ、この日だけで延べ744人となった。普段の休日よりは多いが、コロナ禍以前のGW期間と比べれば半数以下という。周辺のいしのまき元気いちばでは、土産を買う観光客や屋外テラス席で食事を楽しむ姿が多く見られた。
また、「猫の島」で知られる田代島も観光スポット。離島航路を運行する網地島ライン(株)によると、2日の利用者は約60人で、普段の休日と比べて2倍近くになった。同社は感染防止対策で運行船の座席数を220席から100席に減らし、利用者が多い場合は臨時便を出している。離島、屋外という要素がコロナ禍でも支持を集めているようだが、それでも従来のGWと比べると客足は鈍いという。
屋外での体験行事に人気が集まっている(縄文村)
屋外での自然散策や体験活動が楽しめるとして、東松島市宮戸地区も人気が高い。宮城オルレ奥松島コースや奥松島縄文村歴史資料館には県内外から多くの家族連れが足を運んでいる。このうち縄文村では「縄文体験・体感WEEK」と題して1―5日までの期間中、アクセサリー作りや丸木船づくり、火起こし体験などが日替わりで楽しめる。
石巻市蛇田から子どもと訪れた黒須和正さん(32)は「本来は県外を旅行したかったが今は仙台に行くことも気が引ける。外出機会がないと子どもに思い出を作れず、ストレスもたまってしまうので、近場の屋外イベントを探した」と話していた。【横井康彦】
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