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街路灯ほとんどが故障
石巻市役所などがある国道398号穀町大通りの街路灯は、ほとんどが故障して点灯せず、中心市街地の玄関口の夜が寂しい印象になっている。
【熊谷利勝】
明るい石巻・穀町大通り、今は…
これらは解散した商店会から市に寄付された省電力のLED灯。地下配線のため新しくするのも撤去するのにも多額の費用がかかり、いまのところ支柱がさびて倒れないかを点検する以外に手立てがない状況だ。
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市が管理する穀町大通りの街路灯は、約500㍍の区間に片側24ずつの計48基。平成28年11月、商店の廃業や公共施設整備による会員の転居などで解散を決めた穀町大通り会が、会の剰余金と合わせて市に寄付を申し出た。市は歩行者の安全や防犯に必要な街路灯とし、東日本大震災後の石巻駅前整備の一環で引き受けることにした。
灯具はもともと水銀灯で、平成23年に全国商店街振興組合連合会の災害復旧関連の補助でLED化された。ところが市への移管後、次々と点灯しなくなり、現在は4基がかろうじて点灯。1基当たり2個の電球のうち、片方しかともっていないのもある。
費用課題 対策見通し暗く
市道路課によると、灯具以外は水銀灯のころからの流用。配線やソケットなどがLEDに対応しておらず、安定器に負荷がかかって故障したと思われる。震災の津波浸水地域であり、腐食や劣化が早まった可能性も考えられる。
県管理の国道であるものの、県は道路照明以外に整備しない姿勢という。実際、県は7基の道路照明を設置しており、横断歩道や交差点は一定の照度がある。市役所周辺はまだ明るい方だが、西側は道を照らす建物もまばらだ。本紙の読者からは今月上旬、「石巻の顔というべき通り。夜間は暗くて、横断歩道で待っていても安全上、防犯上も危険に感じる。文字通り明るい通りになれば」との投書が寄せられた。
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地下配線の無電柱地区のため、修理や撤去には多額の費用が必要。市の街路灯は80㍍に1基を基準に設置されているが、明るい通りを目指した穀町は20㍍に1基と距離に対して数が多いのも課題だ。
市は1万4千基の街路灯を管理し、限られた財源の中で生活道路や住宅地を優先して整備する方針。各地で街路灯がさびて倒れる被害が報告されていることから、穀町では定期的な点検を続ける。道路課は「歩行者の安全を守る必要がある。間引きや部分的な整備も考えつつ、早めに直せるよう努力してきたい」と課題解決の必要性を認識した。
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