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「川開き祭り」 ①現状 感染対策難しく行事中止

 長い歴史があり、石巻地方最大の夏祭りである石巻川開き祭りは、昨年の97回に続き、98回の今年も花火大会や陸上パレードなど主要な行事が見送りとなった。石巻市や石巻商工会議所などで構成する祭実行委員会は、国や県の指針をもとに新型コロナウイルス感染症対策のガイドラインを作成して開催の可否を検討してきたが、多くの人出に対応するのは困難と判断した。

 近年の川開き祭りは7月31日から2日間の日程で行ってきた。実行委は昨年4月、地元で感染確認はまだなかったが、東北各地で相次ぎ祭りの中止を決めたことや、参加者・観覧者の安全を第一に考え、主要行事の中止を決定。今年は1日間に規模を縮小しつつ、東京五輪の期間を避けた今月21日の開催を目指すことにした。

 これを受けて花火大会の煙火部、孫兵衛船競漕の水上部、パレードなど陸上部といった各部は、感染対策のガイドラインに沿って従来通りに行事ができるかを検討。しかし、花火やパレードで観覧者の距離を保つのが難しく、孫兵衛船競漕では道具を消毒しながら1日間で行うのが難しいと判断された。

 参加団体側も自粛下で満足に活動できておらず、ワクチン接種が進んでいない中で不安もあった。5月の臨時総会でこれらの主要行事の中止を正式に決め、昨年に続き関係者のみ祭典行事を今月21日に行うことになった。

 この決定に市民も「仕方ない」と理解を示しつつ、2年続けて夏の一大行事がないことを残念がる声が聞かれた。特に陸上パレードの花形である小学校鼓笛隊の演奏は、発表の場が失われたまま卒業となる子もおり、実行委は代替えとして、事前収録した動画の公開を1日から始めた。

 川開き祭りは大正5年に始まり、戦時の中断を挟んで昭和21年に再開。宮城県沖地震があった53年と県北部地震の平成15年に中止となったが、震災のあった23年は地域の復興を後押ししようと決行。2年連続の中止は戦後初めてだ。祭りがないのは寂しいが、最近の感染再拡大を見る限り、中止判断は間違っていない。

 実行委会長の青木八州商議所会頭は臨時総会後の記者会見で「2年連続でできないのは残念だが、来年の99回、節目の100回に向け何らかの良い内容を検討し、思い出に残る川開きにしたい」と話した。


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