火力発電所の建設反対 須江住民ら 意思表示 マスク越し無言の訴え
民間事業者による石巻市須江地区の液体バイオマス火力発電所計画を巡り、住民有志が11日、石巻駅前にぎわい交流広場近くで横断幕を掲げ、建設に反対する意思を表明した。【熊谷利勝】
須江地区保護者の会(我妻久美子会長)などの55人が広場前に立ち、「健康・生活・環境悪化」「怒り」などと記した横断幕やのぼり、板状の掲示物を掲げた。新型コロナウイルスまん延防止のため、参加者は全員マスクを着用し、声を発せず無言の訴えを展開した。
建設反対をアピールする市民ら(駅前広場前)
反対運動が起こっている発電所は、東京都の(株)G-Bioイニシアティブが同地区の山林約8ヘクタールで計画。出力10万2750キロワットで、令和4年2月ごろの工事開始、7年8月ごろの運転開始を目指している。計画地は住宅地や小学校に近く、住民から燃料を運ぶ大型車の往復による交通事故、国内で使用実績の少ない燃料の環境や健康への影響を心配する声が出ている。
現在は法令に基づき事業者自らが行う環境影響評価(環境アセスメント)の途中。今月6日にその評価の結果を伝える準備書の縦覧が始まり、26日に東松島市矢本東市民センター、27日に石巻市遊楽館でともに午後6時半から事業者の説明会が予定されている。
我妻会長は「工業団地なら反対しないが、須江は住宅地。準備書縦覧開始で事業者の説明会が開催されるのを前に、改めて市民にアピールしたい」と話していた。
同発電所を巡っては、市議会が住民の請願を採択し、不安を解消するための意見書を許認可庁に提出している。
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石巻市に問題共有要望
発電所巡り保護者の会など
民間の須江地区火力発電所建設計画を巡り同地区保護者の会などは13日、環境影響評価準備書の精読と、部署横断的なワーキンググループ設置による問題点の共有を亀山紘市長に要望した。
要望後の関係部との意見交換で同会は、事業者が作成した準備書の問題点を指摘。燃料輸送は登下校時刻を避けて交通事故を防止する内容だが、登下校時刻が一時的に変更となる場合、その都度、学校から事業者への情報提供が必要になることから防犯上の懸念を示した。
教育委員会は「安全確保に必要であれば事業者への連絡はやむをえない」と認識を示し、生活環境部は「心情は理解するが、中立の立場。心配の部分があれば意見していく」とした。【熊谷利勝】
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