食べ歩き禁止でポイ捨て減 パレード観覧しやすく
8月6、7日にあった第99回石巻川開き祭りは、新型コロナ感染対策で食べ歩き禁止が呼び掛けられ、代わりに出店近くに飲食スペースが設けられた。陸上パレードの舞台となる目抜き通りは観覧場所と飲食の場所は区分されたことで、混雑しても歩きやすく、ごみのポイ捨ても以前よりは少なかったようだ。
花火大会から一夜明けた7日朝、商議所を中心に石巻専修大学や市役所管理職員、石巻日日新聞社労働組合、町内会などから約100人が花火の観覧場所となった石巻大橋―内海橋間の両岸堤防と街なかをごみ拾い。市職員管理職員は延べ約110人が参加し、6日夜に石巻駅前、8日朝にも駅前からかわまち交流広場周辺までの清掃に汗を流した。
堤防上の花火観覧場所では飲食の自粛が呼び掛けられたため、ごみはわずか。それ以外の場所では、飲み食い後に捨て置かれた紙コップやプラスチック容器、たばこの吸い殻などが目に付いた。
堤防上の有料席はゆとりを持って観覧できたものの、無料の観覧場所はかなりの密状態。あふれた人は通行止めとなった堤防下の周辺道路などから見上げ、縁石に座り込んで飲食する人もいた。前回まであったごみを分別収集する場所(ごみステーション)が置かれず、ごみは飲食スペースにあったごみ箱に捨てるか、持ち帰るかだった。
ごみの散らかった祭り会場は後味が悪く、最終的にはマナーの向上に訴えるしかない。ただ、2日間あった花火が1日限りになったこともあり、ごみのポイ捨ては前回よりも少なかった模様。特に日中は、食べ歩きの禁止と観覧・飲食の場所を切り離したことで路上のごみはほとんど見られず、感染対策がプラスに作用した。2日目に至っては、深夜や早朝のごみ拾いの苦労があってこそだ。
また、出店は歩道にせり出さないルールとした。これによりパレードが比較的ゆとりを持って見物でき、沿道に人垣ができても移動がしやすかった。飲み食いも醍醐味であるが、観覧とメリハリつけるのも新しい祭りの形だろう。【熊谷利勝】