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「花咲くと思わなかった」珍しいアツバキミガヨラン

石巻市うしお荘で開花

 石巻市流留の市総合福祉会館うしお荘(八木邦美館長)の敷地内で、世にも珍しい「アツバキミガヨラン」の花が咲いた。施設職員も「開花は昭和52年の開館以来、たぶん初めて。花が咲く植物だとも思わなかった」と驚く。まだ咲ききっていないつぼみもあるが、いつまでが見ごろなのかも分からないため、「気になる方はお早めに見に来て」と勧めていた。

背が高く存在感のあるアツバキミガヨラン

 アツバキミガヨランは、北米原産の耐寒性常緑低木。日本には明治期に渡来し、丈夫で生命力が高く、手間のかからない品種であることから庭園樹として広く使われている。

 放射状に広がる先端が尖った短剣のような葉の間から人の背丈ほどの花茎が伸び、乳白色で釣り鐘型の花がいくつも開く。ただし日本には受粉を媒介する蛾(ユッカ蛾)がおらず、自然環境下では結実しにくく、開花することは非常にまれという。

 うしお荘には5株あるが、今回開花したのはこのうちの一つ。3月に茎が伸び始め、5月中旬に開花したという。施設職員の畑山由美さん(62)は「施設利用者や40年以上勤めた前館長からも開花したという話は聞いたことがない。きっと今月館長に就任したばかりの八木さんを迎えるために咲いたのかも」と笑った。

 八木館長(76)は「来年も咲くかどうかは分からないが、大変きれいな花なので期待したい。地域の皆さんにも気軽に見に来てもらえれば。観賞の際は触れたりせず、優しく眺めてほしい」と話していた。【山口紘史】


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