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ブルーインパルス展示で集客 東松島市 「道の駅」6年春開業

 東松島市は29日、三陸自動車道上り線矢本パーキングエリア隣接地を使い、令和6年春の開業を目指す「道の駅」整備の状況を市議会に説明した。計300台の駐車場、コンビニエンスストアや農産物加工施設併設の休憩施設など機能案を紹介。総事業費は概算で約20億円とし、駐車場整備の造成費(約7億円)は12月7日開会予定の市議会定例会に計上する。

 道の駅は、三陸道上下線の1日当たり約3万7千台の交通量に基づき、敷地計画面積を約2万5800平方メートルと設定。三陸道利用者の休憩機能だけでなく、市の産業や観光の紹介、石巻地方の名産品販売など圏域の玄関口としての役割を果たしていく。

 市内は低平地が広がるため、高台の道の駅を有事の一時避難場所としても活用。一般道からアクセスできる市道も整える。構想では三陸道から乗り入れる北側駐車場、一般道から乗り入れ可能な南側駐車場の中間に、2階建ての休憩施設やトイレが24時間利用できる観光案内所を置く。

三陸道上り線矢本パーキングエリア隣接地に道の駅を整備する

 北側駐車場は既存のパーキングエリア80台分に加え、新たに85台分(計画面積4千平方メートル)を整備。南側駐車場は135台分(1万4400平方メートル)を設ける計画だ。

 休憩施設1階は物販や焼きガキなどの軽食販売エリア、コンビニと農産物加工施設で構成。2階はフードコートと市内の眺望が楽しめるデッキテラスを見込んでいる。物販と飲食エリアは約600平方メートル。県内の道の駅「三滝堂」(280平方メートル)「大谷海岸」(530平方メートル)」「かくだ」(288平方メートル)よりも広いという。

 道の駅は24時間利用可能なトイレが必要なため、休憩施設東側にトイレ、授乳室、防災備蓄倉庫のある観光案内所を別に設ける考え。両施設を屋根でつなぎ、施設中間スペースを多目的広場として使う。地面に航空自衛隊松島基地の滑走路を模したデザインを施し、キッチンカー出店場所としての活用を見込む。案内所東側には実物のブルーインパルスの展示機を飾り、集客力向上を狙う。

 現在、国土交通省と高速道路利便施設連結事前協議を進めているほか、県とも開発許可申請に向けて調整している。道の駅登録申請は来年度行うこととし、一般道からの接続道となる市道百合子線は令和5年度末の完成を目指し、工事を進めていく。

 議員から整備費用が問われ、市は「20億程度を予定し、造成工事部分は補正予算で2年間の債務負担(7億程度)を計上する。建物は概算で10億円余。財源は建物が農林水産省の農山漁村振興交付金(2分の1)を活用。合併特例債も使う」と説明した。

 農産物加工施設については「小松にある農村婦人の家の機能を移す。漬物や梅干しを作っており、将来的に道の駅での販売を見据えた形で利用してもらう。他の生産者にも道の駅で販売してもらう形も考えたい」と語った。【横井康彦】





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