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令和5年度がスタート 3市町 採用職員に辞令 持続可能なまちへ新戦力

 官公庁は休み明けの3日、新しい人材を迎え入れ、新年度をスタートさせた。石巻地方はソフト面を除く東日本大震災の復旧復興事業が完了。一方で人口減少など新たな行政課題に直面しており、各市町の首長は持続可能なまちづくりへ新旧の力に期待した。

■課題解決へ創意工夫 石巻市

 石巻市は任期付職員を含め、昨年並みの39人を新規採用。辞令交付式は石巻地方広域水道企業団に採用となった3人と共に市役所で行われ、保護課に配属となった千葉輝さんと建築指導課の加賀見夏子さんが服務宣誓した。

 齋藤正美市長は訓示で、「震災は復旧復興のインフラ整備が完結となったが、人口減少や雇用創出など取り組むべき課題が山積している」と市政の現状を説明。「市民が住むことに誇りを持てる石巻の実現に向け、創意工夫と柔軟な発想力を持って行政運営に取り組める職員になってほしい」と期待を述べた。

代表者が辞令書を受け取った(石巻市)

 代表して辞令交付を受けた遠藤綾さん(22)=東松島市赤井=は、高校生活を通して石巻の魅力や楽しさを実感。その魅力を伝える観光課の配属になり、「不安もあるが新社会人として頑張り、一日も早く市民に貢献できるようになりたい」と話した。

 市は震災対応で増加した職員数の適正化を進めており、退職者の4分の3補充を基本に新規採用。医療職などを含めた年度当初の総職員は前年度当初より63人少ない1627人となった。新年度の組織体制では、財源確保に向けたふるさと納税推進課などを新設した。【熊谷利勝】

■最少経費で最大効果 東松島市

 東松島市の年度始め式は市コミュニティセンターであった。渥美巖市長が新規採用職員や部課長級の異動職員に辞令を交付し、「5年度は第2次総合計画後期基本計画の中間年。少数精鋭、最少経費で最大効果を出せるよう100%の力を発揮してほしい」と訓示した。

新規採用職員に辞令が交付された(東松島市)

 訓示では本年度新設した「デジタル推進課」について、「国や県の進めるデジタルトランスフォーメーション(DX)化に対応するもの。時代の流れを先取りする体制を整えたい」と強調。その上で「常に市職員の自覚を持ち、市民の幸せのため全力で働いてほしい」と願った。

 辞令は新規採用5人、部課長級異動6人、割愛派遣1人に交付。新規採用者を代表し、教育委員会教育部教育総務課の神谷江美花さん(22)が服務宣誓した。神谷さんは「塩釜出身でわからないことも多いが、人口減少対策などの政策に携わりたかった。日々精進したい」と語った。【横井康彦】

■誰かの幸せを求めて 女川町

 女川町は町生涯学習センターで辞令交付式を行い、職員約100人が出席。町立第四保育所の保育士として新規採用された阿部明日香さん(22)が「公務を民主的かつ能率的に運営すべき責務を自覚し、全体の奉仕者として誠実かつ公正に職務を執行する」と服務宣誓した。

職員の笑顔を写す須田町長(女川町)

 須田善明町長は訓示前、「3年間見る機会がなかったから」と全員のマスクを一旦外させ、壇上からスマートフォンで笑顔の職員を撮影。会場を和ませると、「黄金週間後から社会のコロナ対応も変わる。3年間、どれだけ爪を研ぎ準備してきたか問われる。我々の仕事の先には必ず誰かの幸せがある。その日その時、ベストを尽くし続けよう」と呼び掛けた。【山口紘史】


医療従事者90人第一歩 石巻赤十字病院
3年ぶり通常の辞令交付式

 石巻赤十字病院(石橋悟院長)は3日、新採用職員の辞令交付式を開いた。コロナ禍では縮小して挙行していたが、本年度は3年ぶりに以前の体制に戻した。90人の新入職員を迎え、新たな門出を祝した。

 式は災害医療研修センター内の講堂で行われた。新規採用者の内訳は、医師(臨床研修医)14人、看護師47人など計90人。一人一人が名前を呼ばれてその場に起立し、代表者5人が壇上で石橋院長から辞令を受け取った。

90人が気持ち新たにスタートを切った

 石橋院長は「成長を他人と比べず〝世界一強く、そして、優しい病院〟を共に目指すため、他者に優しくあるとはどういうことか考えていきましょう」と訓示した。

 薬剤師として新入職した同市鹿又の升澤仁さん(24)=青森県八戸市出身=は「災害、救急医療の領域で薬剤師としてできることはなにかを模索しながら励んでいきたい」と話していた。【泉野帆薫】





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