”基本調味料だけでつくるVEGAN”旬のトマトはうま味爆弾
トマトの旬は春なんだよ。
野菜のことを知りたくて通い詰めた八百屋の親父さんから、そう熱く語られたのはもう20年近く前のことでしょうか。
トマトは夏野菜の代名詞なのに!?なんで?なんで?と質問攻めにした私に、食えばわかると手渡されたトマトの衝撃的な美味しさは忘れられません。
今ではもう、立春を過ぎるとトマトを欲する体質になってしまいました。
2月下旬〜5月上旬くらいは、1年でいちばん多くの種類のトマトが店頭に並ぶ時期です。これから俄然美味しさを増すトマト、たっぷり味わってほしいなぁ。
世界中で愛されるうま味爆弾
私は普段「旬の野菜とアルモンデ」頑張らないごはんを作ろう!という料理教室を開催しています。
この教室でお伝えしているのは、"ヴィーガン料理"。お肉やお魚、乳製品等の動物性食材を使わない料理です。
ヴィーガン料理をしていますと言うと、「出汁はどうしてるの?昆布?」って聞かれることがよくあります。
私たち日本人に馴染みがある「うま味」といえば、出汁に使う鰹節や煮干しですもんね。でもヴィーガン料理ではどちらも使いません。昆布は使うけど、やっぱりうま味のメインは野菜です。
実は世界中の多くの国で愛されているうま味食材といえば、今日ご紹介する「トマト」なんです!(そう考えると、鰹節や煮干しって日本が誇る貴重な食文化ですね)
トマトと切り干し大根の炊き込みご飯
夏に比べて水分が少ない春のトマトは、加熱しても水っぽくなりません。
得にミニトマトや、最近出回っているミディトマト(小よりの中型トマト)は、水分少なめで味がキュッと詰まっていておすすめです。
トマトのうま味は中のジュレ(種)の部分に一番多く含まれているそう。丸ごと炊きこんでいるからこそ、ジュレのおいしさがお米にしみしみして最高になるんですね。
そうそう、忘れちゃいけません。
この炊き込みご飯の味を支えてくれる縁の下の力持ちは切り干し大根です。
スーパーにいつでもあるのに、みた感じあんまり売れてなさそうで勿体無い!私は日常的に口の中に入れてます。(おやつに最高)
トマトのうま味が酸味を含んだフレッシュな感じとすると、切干のうま味は滋味深いどっしりした感じ。この2つのバランスが最高なんです。
そしてこのバランスを支えてくれているのが塩です。
今回、味付けは塩のみ。
基本調味料でつくるVEGANですから。
「基本調味料でつくるVEGAN」というタイトルにしたのは、おうちにあるものでヴィーガン料理を楽しんで欲しいからです。
ヴィーガン料理って案外簡単じゃん!これならできそう!そんなふうにヴィーガンの楽しさ遠いしたにみんなを巻き込んでいくというのが、私の野望なんです。
ヴィーガン料理の中で使用する基本調味料は、ひとつだけ一般的なさしすせそ(砂糖、塩、酢、醤油、味噌)と違うところがあります。
それは砂糖。
もちろんヴィーガンの人も砂糖は食べます。植物性ですしね。
ただ、私が今まで学んできた多くのVEGANシェフたちは砂糖を使用しませんでした※。
じゃあ甘みに何を使うかというと、みりんです。(その他アガベシロップもよく使用します)
なので、ここでの基本調味料は「さしすせそ」ではなく、「みしすせそ」です。語呂が悪くてすみません…。
トマトと切り干し大根の炊き込みご飯は、「し」だけ使用しました。
塩だけなんて信じられない!きっとそう感じてもらえるはずです。
トマト=ビタミンたっぷり
切り干し大根=タンパク質やカルシウムたっぷり
オリーブオイル=脂質(n9系脂肪酸)
米=炭水化物
おかずが何にもなくたって、これだけで栄養バランスもかなりいい感じ。味も身体も大満足な炊き込みご飯です。
トマトのおいしい季節に、ご贔屓の品種でぜひお試しください。
◯◯◯
ひびのわの料理教室は、埼玉県草加市にて毎月開催しています。
次回は3月11日(土)。1年間かけて学生時代の調理実習をやり直そうという「おとなの調理実習」クラスです。
テーマはご飯と味噌汁。お米の研ぎ方から水加減、鍋での炊き方など、身につけたら一生もののことばかり。ぜひご参加ください!
※砂糖の精製過程で使用される可能性の高いキトサンは牛由来のものであるため、厳格なヴィーガンの方には砂糖や砂糖が使用されたものを食べない人もいます。(砂糖のパッケージにキトサンの使用については書かれていません)
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