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読んだ本の内容を覚えていなくてもいい、と思ったら本が読めるようになった話。

私の中で、ここ5年ほど続いているテーマがあるんです。それは、「頭の中のモヤモヤ感をどうにかしたい」というもの。
「スマホ脳」や脳トレ関連の情報を折に触れてチェックしてきましたが、明確な解決には至らず、なんとなく気にかけ続けている状態なんですよ。
「スマホ脳」について私が取り上げたのは、たしか2020年頃だったので、もう足掛け4年w
別にずっと深刻に悩んでいるわけじゃないんだけど、コロナ以降ずーっと私の中に通底している問題なのです。

いちおう解決策も持っていて、それが「適度な運動」なんだけど。それについてはわんこの散歩とかでなんとなくじわじわと回復している感じはある。

とはいえ、どうしてもスマホを見る時間は減っていかないですね。
むしろショート動画とかを、次から次へと見るという、ジャンクな情報を摂取するっていう行為が
脳の報酬系が大喜びで、どんどん脳の昔ながらの筋力が衰えている感じがしています。

そう。筋力が衰えている感じ。
読書は筋力が必要って、確か岡田斗司夫さんあたりが言ってたような気がするんだけど、ほんとそれで。
読書筋が衰えている感じがしていて、それがなんとなく健康に悪いような気がしているんですね。

たとえばこれまた全然続かないモーニングページ(笑)
(朝、思っていることをA4 3ページに書き綴る。ってやつね(日本語だと1ページでいいという説も))
これも、パソコンのタイピングだと早すぎるから手書きがいい、って言われてるんですよね。
パソコンのタイピングの早さに慣れていると、手書きの速度の遅さに耐えられなくなったりする感覚があるんです。
そして、手書きの筋力が落ちてる感覚も感じる。
これは手書きをある程度続けているうちに回復してきた気はしている。
だからやっぱり「筋力」だと思うの。

昔から使っていた筋力が衰えていて、衰えきる前に取り戻したい。そんな気持ちなんです。
そんな中でも本が読めなくなっていく感じがしていたんですよ。

私、昔から実用書でも小説でも読んだ内容をほとんど覚えてないって思っていて、覚えていられるようにしたいなぁ。って、なんとなく思っていたのね。
で、それについての私なりの解決策としては「アウトプットすること」なんですね。

読んだ本や見た映画やドラマの感想を誰かに言う。もしくは自分の中で簡単にまとめておく。
それをするとなにもしないよりは、記憶に定着する。っていう結論で落ち着いていたの。

とはいえ、「アウトプットしなきゃ」って思うと面倒だし
実際読んでもアウトプットしないことの方が多い。

やっぱ覚えてないなぁ。って
なまじ本を読むから読んだ本が詰まれてるんだけど、それがどんなないようだったか正直ひとつも言えない。
読んでない本の「積読」問題は聞いたことあるけど。
読んだ本の積み本状態が軽いストレスになるって聞いたことない😂って、うっすーーーーーら思ってたんですね。

取り上げるほどの悩みじゃないけど、自分の中でずっと気になる。そんな問題。

そんな時にこの動画に出会って、悩みが解消したんです✨
サムネが「なにこれ。たいした情報じゃなさそう」と思って何度か見かけてはいたもののスルーしてたんだけど、たまたま見たらすごい有益だったのです!

この動画のおかげで
私の気に掛かってた「読んだ本を覚えられない問題」と「本が読めない問題」が解消したと言っても過言ではない。

この動画の聞き役として、COTEN RADIO 樋口さんが、読書弱者勢代表として話を聞いてくれていて
読書強者勢代表として、ゆる言語学ラジオのおふたりが樋口さんに回答を与えるという形式の動画です。

樋口さんがこう言うんですよ

「一生懸命、本を1ヶ月かかって読む。それなのに覚えてないからこの1ヶ月無駄になったんじゃないかなっていう気持ちになる」

わかる!
私、たぶん本は読んでいる方なんですよ。
昔から読書は好き。だけど、読んだ本全然覚えてないんですね。
「これ、こういう本でこんないいこと書いてあったよー」って誰かに話す機会がある場合はかなり意識して、整理してまとめて伝達しないと無理なんですね。
だからけっこうたくさんの本を読むんだけど、本棚に並んでいる本の背表紙を眺めてもそれがどんなことが書いてあった本なのか説明できない。っていう状態に
なんか無駄なことしているというか。役に立ってないというか。もったいない気持ちになっていたんですよ。

その感覚とほぼ同じ感覚を樋口さんが持っていて
それにゆる言語学ラジオの水野さんが、私にとって最高の回答をしてくれました。

水野さん談

2方向の回答がある。
①忘れないようにする方法の話
②忘れることはすばらしいという話

どっちの話を聞きたいですか?って水野さんが聞くわけです。
私は断然①忘れないようにする方法の話が聞きたい!ってなったんですね。

「②忘れることはすばらしい」とかそういうなんかいい感じのこと言って誤魔化される系の話は必要ないんだよ〜。って思ってたんです。

でも、聞いてみたら②忘れることはすばらしいという話っていう話が素晴らしかった!!!

ので、覚えておきたいのでアウトプットします(笑)


水野さんが「忘却の効用」からいろいろ説明してくれます。

忘却には2種類ある
・生きていく上で必要な正常な忘却
・社会生活に支障がでる病的な忘却

おそらく「読んだ本を覚えてない」ということを悩みに持っている人は「正常な忘却」について悩んでいるはず。

この本の主張はこれです。
「忘却は社会の維持のために必要な力である。
忘れっぽいことは正常であるばかりか有益でさえある」

どういうことかというと、忘れることによって、私たちにもたらされる力に「一般化」や「抽象化」があります。
これがあることで創造的な思考を生む土台になります。

具体例として、「全く忘れられない」という特別な能力を持つ人がいます。このような人たちは、細かいことをすべて記憶しているため、物事を「一般化」するのが難しくなります。
なぜなら、「一般化」とは次のようなものだからです

一般化の意味
AとBという別々のものを比べたとき、「細かい違いはあるけれど、ここは似ている」と共通点を見つけて結びつけること。たとえば、「猫と犬は違うけれど、どちらもペットにできる動物だ」というように考えることです。

しかし、細部を全て覚えてしまうと、それぞれの違いばかりが目立ってしまい、共通点に目を向けることができなくなります。その結果、新しい発想やつながりを見つけるのが難しくなります。一方で、忘却がある程度あると、「細かい部分は忘れてしまう」ために、大まかな共通点を見つけやすくなります。この「抽象化」のプロセスが、新しい発想やアイデアを生む原動力になるのです。

こういう説明を聞いて、樋口さんは思い出したように言うんですね。

「自分は人に相談されることが多い。中にはヘビーな悩みもある。でも1年後にはそれが誰の悩みだったか覚えていない」

「でも、人がこういう悩みを抱えたときには、こんなことが起きる、という“構造”は覚えているんです。個別の人のことは忘れてしまっても、共通する部分や仕組みは頭に残っている感じがする」

これは、忘却による「一般化」や「抽象化」の効用だといえます。
樋口さんの感覚では、相談内容を「一般化」して公式のように整理したり、「抽象化」して蓄積しているようなイメージがあると言うんですね。

これ、私にもある!って思った部分なんですよ。
まじで細部は忘れてるけどエッセンスとか構造だけ記憶してる。
それがどこから来たか、出典を覚えていない😂

だから忘却って対個人に対しては親身になってない感じがして、冷たい感じがするし。対本に対しては、出典覚えてないで自分の中から湧き上がってきたように扱うのってちょっと厚かましいのでは?という気持ちがあって覚えておけない自分がダメなような気がしていたんですよね。

っていろいろ言ってみたけど
っていうより最初の一言ですよ
「せっかく読んだのに忘れちゃうのもったいない」っていう気持ちのほうが大きいんですよ。

だけど、この水野さんの説明を聞いて
目から鱗が落ちました。

必要なものは忘れてなかったんだ。

私の中にエッセンスとして蓄積されてるんだ。

それが「私」の言動となって出力されてるんだから、いちいち細部を覚えていなくても
個々の本の内容を覚えていなくても全く問題ないんだ!

と理解したらもうだいぶ爽快でしたね。

私は、本が読めなくなったと思っていたけど「せっかく読んでるんだから記憶しとかなきゃ」と思ってるだけだった。
記憶できないなら読んでも意味がないかも…って思いこんで、逆に読めなくなったり。一生懸命覚えながら読もうとして進まなかったりしてるだけだった、のかも😂

細部を覚えていなくても、説明できなくても、読んだ本は自分の中に蓄積されていく。
それが「私」を形作っていく。

そう思ったら、なんだか安心して本を読めるような気がしてきました(笑)

ということで、ここ数日急に私のTLに現れ出した十二国記を読もうと思って、「月の影 影の海」を買ってきました。

これって辛い話なの?え?おもしろいの?
とりあえず読んでみるね。

どの順番で読めばいいのか、軽く検索してたんだけど。
「0.魔性の子」をどのタイミングで読むのかな、と思ってさ。
迷った結果、この月の影 影の海を読んで読み進めることができそうなら魔性の子を読もうかな、ということで落ち着きました(笑)

辛いのかなぁ、辛い話あんまり好きじゃないんだけど。

ちなみに直近で一番ハマったのは薬屋のひとりごとです。

アニメが終わってしまって(2期がはじまりましたね)
マンガも連載分は全部終わってしまって、続きが原作しかなかったからしょうがなく読んだんだけど、激ハマりしてすごい勢いで読みました(笑)

小説も既刊分は全部読んで、続き待ちなの(そろそろ出る?)
ラノベって世界観ハマると本当に読みやすいよね。


ということで、忘れても説明できなくても、必要なものが私の中には蓄積されていく。ということが分かったので、
大手を振って、堂々と
どんどん忘れるつもりで読んでいきます!



ちなみに余談ですが、この私の読書前提を変えたこの動画、
AIに要約させたら、私が響いたところ全カットだったんですよ🤣

「私が読む」「私が鑑賞する」というところの意味はこれだなって思いましたね。AIに読ませて満足してちゃダメですね(笑)

動画の要約はこちら↓
文字が小さくて読めないね🤣

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