2マイル目(おかわりラストマイルwith副音声)
めっちゃいろいろ作戦打ってくるじゃん。って衝撃を受けた副音声上映を見に行ってきましたよ。10月で終わっちゃうからね。
HELLOW! MOVIEというアプリを入れて、ラストマイルの音声データをダウンロード。
準備万端で映画館に向かいました。
上映直前にイヤホンを準備して、これで大丈夫かな?!とおろおろしながら開始を待ちます。
無事、開始と同時に副音声が始まります。
(上映されている映画の音をマイクで感知して流れるらしいですよ。すごいですね)
思ったよりしゃべってくれてる🤩
いや、嬉しい。
DVD特典とかで「オーディオコメンタリー」がついてるのに、あんまりしゃべらないのよくあると思うんですが(話す側も見ながら喋るからだまっちゃうのよね。わかる)
これは本編進んでいく中でも容赦なく喋ってくれる(笑)
たぶん、意識して喋り続けてくれてると思うんだけど、本当に喋ってるから思った以上に本編が見れない🤣
序盤の時点で、「これは副音声を聞くための映画だな」と、覚悟を決めて両耳にイヤホンを装着しましたw
そりゃそうだよね、本編だけでも情報詰まりすぎてて、ぽんぽんぽんぽんテンポよく会話が続いたり、どんどんシーンが移り替わったりするんだもん。
「ちょっと一息つくシーン」だけで喋ろうと思ったらなにも話せないよね。
結果的に、本編が盛り上がっていても、副音声も盛り上がるっていうことになってて
情報におぼれそうになる時間でした(好きです)
いやー、楽しかったなぁ。
作り手側が裏話をいっぱいしてくれるの本当に大好物でめちゃめちゃ満足して帰ってきました。
副音声で知った情報の中で印象に残っているものをいくつか書いていくと…
刈谷さんと毛利さんのファーストシーンで、パスがなくて入れないってとこがアドリブだ、とか。
ロッカーの数式は中村倫也さんが実際に書いてる、とか。
しかも躊躇なく書いたって言ってた気がする。
なんか想像できる。「わっかりました〜」とかって言って飄々と書きそうw
病室で寝てる中村倫也はガチ寝だった、とか(笑)
そうそう。エレナが爆弾の箱を空けかけてしまって、爆発物処理班によって無事助けられたあとのシーン。
あれ撮り直したそうですよ。
もともとは食堂でコウと話してるっていうシーンだったみたいなんですよ。「生きる=食べる」っていう野木脚本でよく出てくるシーンとして描かれていたみたいです。
で、撮影順序が逆転してて、爆発騒動のシーンを撮る前に、そのシーンを食堂設定で撮ってたんだけど。
爆発騒動を撮ってる時なのかな?満島さんがこの後のシーン撮り直したい。もっとだらっとしたいって話があって、監督が「確かに」ってなって、撮り直したシーンがコントロールルームのソファにだらっと座ってあったかい飲み物を飲むっていうあのいいシーンになったみたいです。
そう、アンナチュラルもMIUも食べるシーンで元気出してたのに、ラストマイルはみんな「食べるもの」がマックとかインスタントラーメンとかお菓子とか、電気を消した暗闇の中でとりあえずお腹を満たすとか、車の中でささっと食べるとかそういう「食べる」を楽しんでないシーンばかりだったな、って思ってたんですよね。
それだけ追い詰められてる人たちの話なんだ、って。
そんななかでも爆発騒動の後には食堂のシーンが「生きる」という意味合いで用意されてたんだなぁって。
でも、全体を通してよりフィットするのは「暖かい飲み物をこわばった手で飲む」っていうくらいの微かな生っていう状態だったんだなぁ。って知ってよりあのソファのシーンが好きになりました。
そういう作り手の裏話、聞くとより深みが増しますよね。
だから好きなんだよなぁ。
あとエレナは好きになれなさそうな主人公として書いた、映画だからできる。ドラマはお茶の間に好かれないと見てもらえなくなるから、みたいなことを野木さんが言われてて
実際にご友人が見て「前半のエレナ嫌いだったけど、後半みたら大好きになった」って感想だったらしく。
ちょっと意外でした。
私、最初からエレナ好きだったので。
自分ごととしてとらえてみてなかったからな、自分の上司や部下にいたら嫌いなタイプなのかな?ああ、取引先にいたらほんと嫌ですね(ヤギさん(阿部サダヲ)目線)
私としては初見の時から「うわぁ、仕事がデキる明るくて可愛い女性だぁ!」って感じで普通に好きでした(笑)
抱えてる辛さとか明かされた上で、自分の弱さも握りしめて、下請け救ってまとめていくのかっこよかったですよねぇ。
って書いたあとで、パンフレットを見て思ったんですが
「株価が下がるからって言って、警察に連絡しようとするコウを止めるエレナ」の場面って、あれはたしかに「ん?大丈夫?この人?」ってなる部分ですよね。
そういうところかー、製作陣が言ってる「主人公が最初から好かれなくてもいい」って。たしかに。違和感持ったわー。ああいうところがちらほらあったから、あれ?これは犯人側?そういうやつ?って思って見たもんね。(だとしても好きだったけど)
あ、そうそう。
塚原監督が「脚本読んだ時に、コウとエレナをこんな顔の綺麗な二人が演じたら、恋愛っぽく見えちゃうんじゃないかと危惧したけど、ぜんぜんそんなことなくてよかった」ってニュアンスのことを言ってるのを聞いて。
たしかにー、って思いましたね。
ほんと私は恋愛関係に発展しないバディが描かれる物語が好きみたいです。
トラつばの桂場さんと寅ちゃんとか
ミコトと中堂さんとか
いいんですけどね、恋愛に発展しても(笑)
でも、発展しなかったバージョンを見て「いいねぇ、こういう関係」って思ってるw
1マイル目の時に、売り切れてたパンフが今回はあったので入手しました。
パンフも楽しいねぇ。
パンフをみてエレナの印象がまた変わりました。
深まった、という感じかもしれない。
エレナが一度壊れた人間だっていうことをわかって見てもやっぱり最初のブルドーザーな感じからラストまでずっと私が持つ彼女の印象は「強くてデキる女性」だったんですよね。
パンフ内で満島ひかりさんが持つエレナの印象をこう語っていたんです。
「もしかしたら口から出る言葉と体で感じ取っていることが、すごくズレちゃっている人なのかな」って。
めちゃめちゃ意外だったんですよね。
一鑑賞者として、エレナのことをそこまでギリギリの人だと思っていなかったので。
「心が空っぽになっていて、実は生きるだけで必死」「セリフ内容とは裏腹に、胸の中は違和感でいっぱいになっている」
私は1マイル目に多くの人と同じように、エレナは筧まりかと共犯関係なのかも?!っていう目線で見てるから、そのギリギリ感を受け取っていなかったんですよね。
(2マイル目は副音声に集中してるから(笑))
でも最終すべてがわかってみれば、エレナは本当に何も聞かされてなくて、3ヶ月の休職の後の復帰の仕事で、ここで失敗するわけにはいかないっていうプレッシャーがあって。そんな状態なのに会社の売り上げがかかってる年に一度の大イベントで事件に巻き込まれて「最悪だ」って思ってる中で、捜査が進むにつれて、過去に偶然知ってしまっていた筧まりかの件が目の前で起こっているのでは?という疑惑に駆られていく、そう思うとめちゃめちゃ大変な状況ですよね😂
もともと頭のいいエリートの女性が遭遇したことのない危機に陥って、頭フル回転させた結果
表に現れる表現があのブルドーザーな仕事っぷりなのだとしたら…今後はエレナをみるたびに胸が締め付けられそうです🥲
でもデリファスから離れられて、たぶんいい方向にいくんだろうな。そうであってほしいな。
街中で偶然コウを見つけて最高の笑顔で近づいていくんだろうな。
コウはエレナに気づいた瞬間体固まりそうだな、逃げたくても無理だってわかって「うっ」ってなってそうだなw
早々に切り上げて帰ろうとするも「最近どうしてる?」って、お茶に連行されちゃうんだろうなw
っていう未来であってほしいなって思っちゃいますね。
パンフレットは興味深い記載がいっぱいあって、
野木さんの「世界は巨悪が動かしているわけではない」という言葉が印象的でしたね。
急に話が軽くなるけど、私も都市伝説系のYouTubeをけっこう見てた時期に「世界を動かす〇〇」みたいなのをよく見たけど「え?世界を動かしたいっていうトップの人が5人くらいいたとして、それまとまる?」って思ってたんですよね。
仮にその数人がまとまったとして、世界を動かすための組織がその下にあって、さらにその下にってピラミッド構造にするしかなくて、そこにいる人たちって巨悪の思い通りに動くか?…無理だよな、って思ってたんですよね。
無理ですよねー。だれか1人が世界を支配するとかって。
「私たちはみんな等しく、少しずつ「罪」を抱えている」って野木さんは言ってて。たしかにー。って感じでしたね。
そしてこんなこともおっしゃってました。
ゾクッとしますよねぇ。
1マイル目見終わった時に、言葉にできないザワザワ感を味わったんですけど、あの感覚を、言語化したらこうなるんだなって感じ。
そんなものをコアに作られたラストマイル。
そしてこの流れで、この日曜日からはじまった「海に眠るダイヤモンド」はどんな話になっていくんでしょうねぇ。
ある程度予想はしてましたが、やっぱり…重そうですねぇ😂
ビールとポップコーンに合うものを作ろうと思って、アレになるチームですよ?
「日曜劇場」の看板背負って作るドラマがどういうものになるかちょっとドキドキですよね(笑)
あ、「海に眠るダイヤモンド」から劇伴が得田真裕さんから佐藤直紀さんに変わりましたね。
それでチームのカラーがだいぶ違って感じていい感じです。
得田真裕さんが作る曲ももちろん大好きなんですが、佐藤直紀さんに変わってまた印象がぜんぜん印象変わりますよね。
世界が繋がってないのが音楽のちからによって伝わってきてさすがでございます。
副音声上映の詳細はこちら
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