卓越者～その非人ならざる不亡～

自己超越　一蓮托生

今生は彼へのプレゼント、いわば当てつけだ。

彼岸、彼方、彼女、彼処、彼是の「彼」

私の皮を被った私以外のあいつ（彼奴）

抜けた毛髪、切った爪、糞尿、飛沫、垢、皮脂
そんな私の分身が彼の大好物

あぁ、なるほど。
だから彼女は今日も実るのね
私はそれを食べ、汚物に変える。

私が私を汚物だと思うのは、
私が清いからではなく、
その垢を彼に捧げるため。

ほらほら食べなさい。
私の思弁、老廃物、血肉、
そんなに欲しがるなら
骨の髄までもあげましょう。

でもこれだけはあげない。

それは「あなた（貴方）」。

あなたは私の貴重品。

あなたがいるから私がいる。

あなたはとても綺麗。

綺麗なものは彼にとって毒。

だから彼の手の届くところにいてはダメ。

あなたは貴重。

あなたは貴く重い。

あなたは宇宙の中心。

あなたは私の中の本当の私。

『無知の知・無記の記』

『不尊の尊・不空の空』

あなたがいれば私は何度でも生まれ何度でも死ねる。

姿形を変えて、何度でも風変る。

あなたあなたあなた

オンアボキャベイロシャノウマカボダマニハンドマジンバラハラバリタヤウン
ノウボウアキャシャギャラバヤオンアリキャマリボリソワカ
オンバザラアラタンノウオンタラクソワカ
南無妙法蓮華経
南無阿弥陀仏
ナマステ
オーム
はな　
ナム
ラー
マー
～は
～
あなた
彼

いや、違う。

あなたの中身が本当の私で、
あなたの外身が借物の私。

そっちが此岸でこっちが彼岸

私がいるのはそっちなの。

であれば、そうか、私こそが彼。

あなたこそ私。で、あなたこそ彼。

ならば私は私を許し、託そう。

生活、即ち『一蓮托生』

利己的遺伝子なんて子供だましだ