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『生』~無を有で満たしていく営み【成長・世界・メタバース】について~
資産総額の上昇は止まらない
現在、地球では約6000兆円相当(くらい)の現金が流通している。
そのうち、日本の銀行券と硬貨の総額は約122兆円であり、
アメリカドルの現金総額はおよそ300兆円である。
しかし、日本が保有する金融資産の総額は約2000兆円であり、
アメリカが保有する金融資産は約13000兆円である。
現金以外の金融資産とは預金、債券、株式等である。
なお、不動産等を含めた地球の資産価値は6~7京円と推定される。
2021年の世界の家計金融資産は274兆ドルと推計され、不動産等の非金融資産との合計では過去最高の530兆ドル(前年比10.6%増)でした。株式市場の好調なパフォーマンスと、非金融資産への需要の急拡大によるものです。日本の家計金融資産は18兆ドルとなりました。
https://www.bcg.com/ja-jp/press/15june2022-global-wealth-grew-double-digits-to-530-trillion
もちろん、決済の度に人間が一枚一枚お金を数えているわけではない。
データの処理速度の上昇が、
通貨の流通量を上へ上へと押し広め、
資産と所有権の分割を細部へ細部へ、虚部へ虚部へと押し広げ、
決済の頻度を多く多く、速く速くと押し上げるのである。
データ容量・情報量の上昇は止まらない
データの世界は発展し、その確実性、即時性により、
現実に基づかずとも実体を持てるようになった。
そして、現代の技術革新は「半導体の集積率は18か月で2倍になる」という『ムーアの法則』の上限に挑む段階にまで来ている。
8月9日、アメリカでは半導体生産開発に7兆円以上投資 国産化促進法が成立した。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220810/k10013762981000.html
また、世界の半導体工場である台湾を巡っての米中の緊張感が高まっている演出が頻繁に繰り広げられている。(筆者個人としては、以下のような理由で起こらないと思う。しかし、中国ならやりかねない気もする。よくわからない。)
「TSMCは、世界とリアルタイムでつながっています。欧州、日本、米国とつながっているのです。材料から化学物質、スペアパーツ、エンジニアリングソフトの診断まで、この工場を稼働させるためには、みんなの力が必要なんです。だから、もし武力で占領したら、全体のオペレーションが不可能になります。」「当社の業務がストップする中国に大きな経済的混乱が起こるだろう。突然、彼らの最も先進的な部品が消えてしまったらどうなるか。よく考えることです。」
https://cafe-dc.com/semiconductor/smc-chairman-on-chinese-invasion-of-taiwan-nobody-can-control-tsmc-by-force/
いずれにしろ、半導体不足が世界的に解決困難な問題であることは確かだ。
これは飢餓と環境飽和が解決できないのと同じ理由だ。
(パーキンソンの法則)
仮想通貨のマイニングに使われるスパコンにも、電気自動車にも、高性能な半導体が必要不可欠である。
つまり、半導体の確保が産業で優位に立つ鍵であり、
計算速度が『市場の先行き』という【暗号】を解読し、攻略する兵器なのだ。
(世界がアホな人間にとことん冷たいのはこのため。)
したがって、
経済とはそれ自体が決して終わらぬ戦争である。
そしてそれは、数年の短期的な停滞はあれど、膨張し続けている。
では、世界自体に終わり、上限はあるか。
ここに、1テラバイトのメモリーがあるとしよう。
このメモリーは有限であり、カラではあるが、空ではない。
これははじめから『無』で満たされた満タンのデータである。
これが使用者によって端から「有」に置き換わっていくのである。
そして、すべてが置き換わった後は、一から書き換えてしまうか、
それが嫌なら、次のより大きなメモリーに移行するわけだ。
これは、時間によって意識が『無』である時空(未来)を有で塗りつぶしていくのに似ている。そして、メモリが『有』で飽和することは私が思う死の感覚に似ている。
1)有限であるということは、外から見れば有限であり、
2)無限であるということは、内から見れば無限なのである。
この2通りのモノの見方、
あらゆるモノに付いている【2つの取っ手】を同時に持つことを【空】というのである。
しかし、この【取っ手】自体にも【2つの取っ手】が付いているから、
【空を掴むことはできない】が、できる。
つまり、【そうと知ること】を掴むと言えばいいのだ。
私は、1テラバイトのメモリを1テラバイトと断言したが、
1テラバイトまで「有」が達するとは限らないし、
1テラバイトと知らずに上書きを繰り返してしまうこともあろう。
そのような場合、1テラバイトは5ギガバイトかもしれないし、
10テラバイトかもしれないのだ。
このことを仏教では「老少不定」という。
そして、【そうと知ること】を信楽という。
要は、どちらでもいいのだ。
世界に終わりがあろうとなかろうと、
世界の市場規模が何百倍になろうと、
世界自体がメタバースで何万倍になろうと、
己が宇宙にまで希釈されようと、
我に囚われたまま終わろうと、
どちらでもいいのだ。
あなたがメタバースにいようとも、多元宇宙にいようとも、
生まれた直後の赤子はソレよりもずっと広いところにいる。
あなたがいくら学習して開発して知見を広げようとも、
『無』を『有』で埋め尽くしたときに迫られる選択からは逃れられない。
それは、より膨張するか、一からやり直すかである。
あなたは赤子から童子になり、知見を広げていまに至った。
あなたが知る最大のナニカの中において、
新たに生まれた赤子は母を超え、乳母車を超え、家族を超え、社会を超え、世界を超え、超人を超え、未超人をも越えるだろう。
(あなたにできたのだから誰にでもできる可能性はある。しないだけだろう。動機がないから)
しかし、またその中で生まれている無数の赤子の【無限の広がりそのもの】には決してあなただけではたどり着かないのである。
華厳経の中では『不可説不可説転』という無量大数の無量大数乗みたいな数が存在する。しかし、それはもはや数ではない。数なのだろうか?私には、わからない。つまり、まだ『無』の領域にそれは有る。意味不明だろう。
つまり、『無意味』である。
それでいいのだ。
生きるということは「無と対峙し続ける有」であり、
それは同時に「有と対峙し続ける無」なのである。
メモリーなんかいくらあっても足りない。
だからナニが多くても少なくても、不定なのである。
以上、『未断』ということ。
以下、天才的断定の営み(『殺』)
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