教室の窓「山、町、海、夕日」

すべてがあった

あそこでぼくは満足だった

いまいる1人暮らしのアパート

ここにも窓がある

外には浅い雑木林

よく鳥が柵に止まる

とうてい見えないものがある

しかし繋がってるならいいじゃないか

窓と目は似ている

智識と視界は似ている

感覚と言葉は似ている

あとで思い返せば

きっとここにもすべてがあったのだろう

きっと満足だったのだろう

あぁよかった

よかった


窓さえあれば

どんな監獄でもぼくはひとつだ

時間の流れは間違ってなかった

いまがどうかなんて気にしなくていい

未来のぼくはそう言った


いまがいちばんつらく
いまがいちばんしあわせ
いましかないのだから
どこに目をやるかの違いさね
あとは、目線の移動にかかる時間と
瞬きによる明暗



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