俺のヒロインってなんだろうね

 知らねぇよそんなこと! と言われたらその通りである。以下の文章は近年、俺が好きになったヒロインについて書くだけなので、さしたる意味はない。まぁ俺はこのnoteにおいて一度でも意味のある文章を書こう、と思ったことはない。徒然なるままに云々かんぬんである。いや、徒然草は普通に楽しめる随筆なのでおすすめだけど。


・黒姫結灯
 いきなり四年くらい前初出じゃねーか、近年ってなんだよ。という話もあるが、四年なんてそんな前ではない。仮面ライダーで言えばセイバーだとかゼロワンの後半である。なんなら去年と言われても信じられるくらい最近であろう。
 ともあれ、アマカノ2とアマカノ2+のメイヒンヒロインである。

公式サイトより

 一見優等生だが、実は昏い一面を持っているのが特徴。しかし、主人公との出会いでそれは氷解して、周囲は唸らせるほどの激甘で激重な彼女になるヒロインだ。
 わりと大人っぽい見た目をしているが、あちこち子供っぽいのも特徴であろう。サンタさんを信じているくらいだ。十八歳以上なのに! いや実際のところは女子〇生だからいいじゃん。

 ともあれ、この結灯がメインヒロインなのは、どう考えても主人公抜きでは幸せになれなかったヒロインだからである。
 
 
これはアマカノ2の後日譚である2+の他のヒロインルートでこれでもか、描かれている。他のヒロインルートでも、結灯は明確に主人公に好意を持ち、初恋に落ちた。しかし、選ばれなかった。だから後日譚において、彼女の出番は他のヒロインに比べると驚くほど少ない。途中から完全に消えてしまったくらいだ。
 おそらく、彼女は敗者として一生を過ごし、独りで死んでいくだろう。そう、疑うことなく思わせるヒロインだ。重い。あまりにも重い。だが、二次元の美少女の愛は重くてナンボであろう、と俺は言いたい。
 
現実にいればアウトな女の子であればこそ、二次元で愛でる意味がある。リアリティのあるヒロインを否定したいのではない。そういうヒロインも好きだが、どうせなら、純度百パーセントの二次元ヒロインを楽しみたいと思えば、それは結灯のような愛が重くて、主人公と結ばれなかったら人生が終わるくらいの子がいい、と俺は思うのだ。いやもちろん、現実でそんな重い子を支える気量はないのでノーセンキューだが。ワンナイトくらいが俺の身の丈にはあっている。それもそれでどうなのか。まぁいいじゃん。
 ともあれ、結灯は声優もよかった。エロゲ界にさっそうと現れ、人気ヒロインを担当しまくる、明羽杏子。その声と芝居で完璧に結灯の魅力を引き出していた。正直、このキャスティングはあまりにも完璧すぎて、その一点突破で他のヒロインを押し退けていたと思う。他のヒロインの声優もいい声だし、いい芝居をしていた。文句などひとつもない。だが、それを軽々と上回ってみせたのだ。しかも歌が馬鹿みたいに上手い。

 愛とは何か。それはつまり、愛しい人を笑顔にする想いである。

 それをあらん限りの力で証明したのがこの結灯だ、と俺は言い切る。
 まぁでも、ビジュアルだけで言うと2+の失恋ショックでショートボブにした姿の方が好きなんだけど。俺の好みがそれだから、ではあるが。


・三船栞子
 今をときめく――かどうかはどのブランドのファンかによるが――ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のスクールアイドルの一人であ
る。

アニメ版の方が好きなのでこっちで。なお親友に地味、と言われて論争が発生した。

正直、俺はアイマスの、ミリオンPなのだが、この虹は大好きだ。なぜならアニメの出来が凄まじくよかったからだ。現在上映中の最終章の一作目ももちろん観た。そこに栞子の姿はほぼなかったが、メインキャラを絞って作品の出来を収斂させていたので、それは仕方ない。そもそも、OVAの主役は実質、この栞子だった。これ以上は望めない。

 この栞子は理想的な大和撫子、と言えるような子だ。アニメでは。ゲームではいささか頭が固いのだが、アニメではわりと柔軟だった。アニメスタッフに感謝である。
 そんな栞子。このままでも俺の好みのヒロインなのだが、なんといっても、虹のメンバーでラブソングを歌おう、という趣旨で生まれた曲である「咬福論」があまりにも俺の心を打った

 この曲の解釈は色々とあるのだが、個人的には素直に、YouTubeで公式で上がった栞子と歩夢の会話がすべて、だと思っている。誰しもに見せつけるような仲でなくていい、ただ、たったひとつだけ、しかし、決定的に残り続ける何かがあればいい、という――この歌ではそれを、咬み痕だと定義した。首筋にかぷり、とそれを残して、あなたはそれを照れながら隠すかもしれないけど、私はそこに傷があるのを知っている。それだけでいいの。

 そこまで重い愛ではない、と思うかもしれないが、栞子と歩夢の会話を聞いた後だと、あまりにも愛が重い! となるのでぜひ動画を見て欲しい。栞子が言い出すことなのだが、それを絶賛する歩夢に恐怖を覚えられるちょっとしたホラー動画である。

 ともあれ、栞子の愛もまた重く、しかし同時に、たったひとつ、確かな絆があればそれでいい、という謙虚さも同居した愛だ。ただし、そう簡単には消えない絆を求めているので、間違っても軽い愛ではない。重い。だが、男なんてものは重しをつけておかないと浮つくものだ。重いくらいでちょうどいいのかもしれない。


・姫柊雪菜
 近年? と思われる方もいるかもしれないが、原作とテレビアニメはともかく、OVAシリーズはわりと近年まで続いていたので近年である。あとまぁ、おじさんなので十年前を二年くらい前だと認識しているので……。

世界一のエロ画像だと思っている一枚。

 原作のイラストも嫌いではないが、俺はアニメ版のイラストが大好きでね! 
 ともあれ、この子の愛が重いかと言えば、まぁ、重い。いわゆる、初恋の相手に添い遂げるタイプだ。
実際、原作はそういう終わり方をした。ただし――理由は色々とあるが――ハーレムを容認しているのがいかにも、ラノベらしいキャラ造形だった。厳密に言えば、子供まで作ったと確実に言えるのは二人しかいないのだが、まぁ、ハーレムの正妻ポジションである。ちなみにそのうち一人は、この雪菜の子供である。声優は違うが、見た目はクローンみたいに同じなのは、まぁたぶんキャラデザを考える手間を惜しんだのだろう、と俺は思っている。

 この雪菜に関しては、声優の種田梨沙がいい仕事をした。清純な声と芝居をしながら、同時に隠せない色気を推し出すという見事な演技だった。OVAシリーズなんかの歌の方はわりと残念だったが、声優=歌が上手い、ではないのでそんなことはどうでもいい。最近は歌が上手いのがデフォ、みたいな空気があるけど、俺はいい声でいい芝居をしてくれたら満足だ。

 ともあれ、一途に愛を向け続けるそのひたむきさと、しかし、その姿を素直に表現しない性格がとても、俺は好きだ。


・つまるところ
 俺は愛が重い女が好きなのだろう。

 そもそも幼なじみヒロインが大好きである。幼なじみの恋情が軽いわけがない。いつだって彼女らの愛は重い。重すぎて自縄自縛となって、負けヒロインになることだって珍しくない。だがそれはそれとして、幼なじみは負けフラグと思った人は一回ずつ腹パンさせて欲しい。顔はやめな、ボディにしな、の精神は令和でも健在だ。

 俺は基本的に直感で動く。趣味の筆頭は読書だが、一ヶ所に留まって本を読む性質ではない。つまり、ふわふわとしている風船のような男である。放って置けばどこまでも空へ飛んでいく。だからこそ、愛という重しが必要になり、俺の好きなヒロインの愛は基本的に重いのだ。

 だがしかしもちろん、現実にそんな愛を求めないし、与えることもできない。俺は愛情乞食である。これは松居大吾の「またね家族」という小説に出てきたフレーズだが、まさに俺のことだと思う。俺は愛を与えることができないが、愛は過剰に求める。
 当たり前の話だが、そんな男に愛し合うことはできない――だからこそ、俺は二次元しか愛せない。二次元と三次元、どちらにせよ、愛されることしかできないのであれば、二次元にそれを求める方が健全なのは言うまでもないことだからだ。

 長々と書いたが、ただそれだけの話だった。神よ、もしおられるのでしたら、俺の人生にヒロインを登場させないで……。という祈りを締めの言葉にして、終わりだ。

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