お前の好きな美少女ゲームの話をしろ、と言われてはいないが、語る

 と思ったが、ギャルゲーもありにして欲しいっていうか、俺はギャルゲー好きであってエロゲー好きではないのだ。同じジャンルだろ、と言われるとあまり否定はできないが、そこは玄人にしかわからない決定的にオーガニック的な何かがあった、と言いたい。

・ToHeart(PS版)
 いきなりエロゲーじゃないか、と言われそうだが、PS版なのでギャルゲー判定にして欲しい。俺はエロゲー版をやったことがない、というのもある。田舎の小中学生がエロゲを変えたら世も末だ。それは今も昔も同じだが、でもまぁ、小学生がスマホでDMMのエロゲーをやっていてもおかしくない現代って怖いよね。
 ともあれ、この作品が俺のギャルゲー・エロゲーの入りである。厳密に言えばアニメ版を先に知ったし、これよりも先にプレイしたゲームとして「メモリーズオフ」があるのだが、そのジャンルのゲームに興味を持ったのは間違いなくこの作品からだ。
 同時に、俺が幼なじみヒロイン偏愛主義者になったきっかけのゲームである。そう、神岸あかりだ。幼なじみヒロイン=犬系の女の子、という風潮を作ったと言っても過言ではない偉大なヒロインだ。それ以前は素直になれない系が多く、結果として負けヒロインになった事例が多々あったように思うが、この作品がターニングポイントだったと言ってもいいだろう。
 もちろん、世間的にはマルチの人気が圧倒的だった。シナリオの出来の良さは間違いなく抜群だったから、それに文句は、今でもない。だが俺はあかりが好きだ! と叫ぶ。主人公の浩之が唯一、スパダリでいられなかった、という意味でも重要なヒロインだった。浩之は他のヒロインのルートでは今で言うスパダリみたいな立ち振る舞いが多く、だから評判がいい主人公の一人だったが、あかりに対してだけはヘタレた。
 それを肯定できるかどうか、であろうし、厳密に言えば志保ルートでもヘタレたような気がするが、そもそも志保ルートは面倒な話を展開したので仕方ないように思う。
 リメイクが発表された本作だが、シナリオがそのままで今でも通じるのはあかり、志保、マルチくらいだろう。キャスティング次第では、志保が一番人気になるかもしれない。昔の声優が悪いのではなく、他の声優が強過ぎたのだ。川澄綾子、堀江由衣、久川綾なんて二十年以上五の時を経てもなお、ばりばり仕事のある声優である。相手が悪すぎた。
 ともあれ、この作品がなければ俺の人生は変わっていた。その意味では語るしかない作品である。リメイクも買うかもしれない。声優は旧キャストでプレイしてしまうかもしれないが。あかり=川澄綾子の式は崩れない。一之瀬の人は無難にこなすだろうが、これまた、相手が悪い。川澄綾子は一時期アニメ界隈のメインヒロインの座を独占し続けた、と言ってもいい存在である。その上を行く活躍をした堀江由衣の後釜を務める洋宮の人も勝てないかもしれない。それくらいの実績を、この二人は声優界に刻み込んだし、俺の心も破壊された。

・メモリーズオフ
 実は過去に色々と書いているので、あまり触れないが。
 この作品でも他のルートではわりと男を見せる主人公・智也が、幼なじみの唯笑ルートだけではヘタレにヘタレた。一応擁護しておくが、死別した恋人も幼なじみであった。幼なじみから幼なじみに切り替えるのはそりゃ楽にいかなくて当然だった。
 まぁ中学生でプレイした俺の心に最も残ったのは、悪友の稲穂信ではあったが。まさかメモリーズオフの本筋ゲームで皆勤賞になるとは思わなかったけど。最新作にもヒロインたちよりも先に出演が発表されたくらいである。そりゃ中の人も困惑する。
 賛否両論の多い作品の多いシリーズだが、PS4かSwitchでプレイできるし、Steamでもプレイできるので気が向いたら、ぜひ。前者は四作ずつまとめたパッケージが出ているので、そっちの方がお値段的にはお得だ。三作目の「想い出に変わる君」は癖が強過ぎるので、覚悟してプレイした方がいいとは思うが。

・CloverHeart`s
 俺の人生初エロゲである。プレイした時の年齢はまぁ、アレだが。でも十八禁のゲームを十七歳でプレイしてもそれは誤差の範囲だろう。詭弁!
 ともあれ、双子の主人公と双子のヒロインで展開された物語は、まぁ贔屓目で評価しても凡作、だったと思う。一応メーカーの看板作品になったし、続編的存在が出たし、メーカー最終作もこの血統なので、世間的には一定の評価は得ているの間違いない。
 俺が好きな主人公&ヒロインのルートはこの作品の少し前に出た「家族計画」という傑作エロゲの影響を受け過ぎていたが、壊れた家族の再生物として見れば、十分に面白かったと思う。それが終わった後の最終章が凄まじく出来が悪かったので、どうしても評価を下げるしかなかったのは事実だが。たぶん俺のプレイしたすべてのエロゲの最終章の中でも、一、二を争うくらいに出来が悪かった。
 もう一人の主人公&ヒロインのルートの方が世間的には評価は高かったはずである。最終章の出来も無難によかったしね。
 今はプレイするのが難しい作品なので、メーカー最終作となる最新作を買ってくれれば、という感じだ。どんなに悪くても凡作にまとめるくらいのメーカーだとは思うし。でも、意地でも幼なじみヒロインのルートを作らなかったことは当時も今も許していないがな! FDでもPS2版でもお祭りゲーでもないとか舐めてんのかてめー!

・月姫
 リメイクもやったけど、俺はあえてこのオリジナル版を選ぶぜ!
 正直、アルクと翡翠以外のヒロインは好きじゃないし、琥珀に関しては普通に嫌いまであるのだが、それでも、高校生の俺に刺さったのは事実だ。あの時代に直死の魔眼の設定は効きすぎた。
 最後の最後に、主人公・志貴の死を予感させて終わったのはいかにも時代性というか、あの二十世紀末を生きた人の作品らしい、と言えよう。リメイク版でどうなるかは不明だし、そもそも続きが出るのか、という問題だが(売り上げ的には問題ないが、スタッフがね……)、良くも悪くも、世紀末のあの空気はなくなっていたので、きっと優しく終わるのではないか、と思っている。
 否定されがちだけど、アニメ版は嫌いじゃなかった。最後の二話は確かにひどかったが、それ以外は悪くなかった。カレー大好きシエル先輩がミートソーススパゲティ食べたくらいで騒ぎ過ぎだろう、と思ったな……

・恋ではなく
 死ぬほど人を選ぶエロゲー。具体的には主人公とヒロインが死ぬほど面倒臭いし、最終ルートでタイトルの意味がわかると、エロゲーとしてそれはどうなの、という気分にはなるのだが、それでも個人的には名作だと言いたい。まぁ中古ショップで千円前後で買えるので、世間的な評価はそういうことであるのだが。しかし、刺さる人には刺さる。ので、刺さりにいって欲しい。刀身を見る前にやってられっか! となるかもしれないが……

・WLO
 俺が女神と崇める声優・佐本二厘との出会いのゲーム。ゲームとしては凡作もいいところだが、その一点だけで俺は生涯このゲームを肯定し続けるだろう……。
 豪華な声優陣、現代でやろうとしたら炎上待ったなしの設定! とか色々と語れる作品だが、まぁでも、普通に出来がいい、程度だという辺りが正しい評価だと思う。プレミア価格とかにもなっていないし、佐本二厘ファン以外にはそこまで話題にならなかったのは事実だ。が、佐本二厘ファンには神ゲーだった。それくらい佐本二厘が演じた幼なじみヒロインのルートは完璧、と言ってもいいくらいである。
 ただしFDの出来すごぶる悪いので、これはやらなくていい。パッチあてないバグ地獄だったし。

・アマカノシリーズ
 現在のエロゲ業界を代表するメーカーのひとつ、と言ってもいいと思うあざらしそふとの看板作品。
 俺が初めてプレイしたのはコロナ過で暇になった時であり、つまり、アマカノ2の発売前後であった。その時期に初代、SSとプレイして俺は再びエロゲに興味を持つようになった。七、八年ほとんどプレイしなくなったのだが、このシリーズで戻ってきた。佐本二厘がエロゲに出なくなったから、というのもあるが、なんとなく、エロゲ業界の変遷に嫌気がさしていた、のかもしれない。
 ともあれ、恋人と甘い生活を送る、というコンセプトの作品だけあって、恋人になってからは死ぬほど甘ったるいのが特徴。1のとあるヒロインルートにはノイズが入ったが、そこで評価を下げまくったせいか、以降の作品ではノイズが生まれる要素は取り除かれた。いやまぁ、ヒロインの親父がわりと普通に屑の人だったので……神主としてよくやってこれたな、というレベルであった。
 最近なぜか1とそのFDの中古が高騰しているが(と言っても五千円は超えないのだが、一時期は二千円以下では買えたのである)、SSと2は手頃な値段で買えるので、プレイして欲しい作品だ。
 メーカーのあざらしそふとはロープライス、ミドルプライス、フルプライスのそれぞれのラインがあるので、ロープライスから始めてもいいだろう。その際は、「年下彼女」がオススメだ。テキストの質が昨今のエロゲの中で最も優れていた、と俺は確信しているくらいの作品である。ヒロインのかわいさもすさまじいしね。

・これで終わり
 まだ語れる作品はかなりあるが、暇だったので書き出したものなので、ここまでってことで。ときメモを入れようかと思ったけど、まともにプレイしたの4だけなんでやめたのである。4は傑作だったのだが、同時期にラブプラスが出てしまったのが痛かった。どちらもコナミからの発売だったが、ときメモは負けた……。最近初代のアニバーサリーイベントがあったが、4は無縁だった悲しみ。どっとはらい

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