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【着ぐるみ制作】ケモ手の作り方【アドカレ8日目】
この記事は「日陰工房アドベントカレンダー2022」の8日目の記事です。
トップ画像は Tuna さんに撮ってもらいました。
響音カゲです。
今日はケモ手の作り方を解説します。
そんなにファーを消費するものでもないので、基本の作り方は何度か繰り返して練習しておくと縫製の良い練習になります。
この記事では、基本的にある程度パワーのあるミシンがあれば、ミシンだけで作れるやり方を紹介します。
こんなのができます。
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本文中では敬称を略します。
必要なもの
型紙
自作する場合: 型紙用の紙(模造紙、ハトロン紙など)
ファー(約60cm〜)
肉球用生地(グルミン2、クリスタルボアなど)
爪用生地(合皮、フリース、ベロア、ボア、フェルトなど)
カッターナイフ
バリカン
裁ちばさみ
(あれば)ミシン
バイアステープ(オプション)
裏地(オプション)
作り方
いくつか作り方がありますが、この記事では主に表裏を縫い合わせるタイプの型紙を紹介します。
型紙を作る・印刷する
ファーを切り出す
縫い代をバリカンで刈る(オプション)
肉球を縫い付ける
爪を付ける
縫い合わせる
綿を入れる
バイアステープを付ける(オプション)
順に見ていきましょう。
1a. 型紙を作る
デザイン画の時点でケモ手の形状や厚みまでちゃんと決めておくと良いです。
ある程度厚みのないケモ手なら2枚の貼り合わせで作れます。
そんなにファーを消費しないので、とりあえず作ってみると、いい縫製の練習にもなります。
まず、指を目一杯広げたときの手のアウトラインの形を型紙に描きます。
このかたちを目安に、ケモ手のシルエットを描きます。デザイン画をよく観察しながら描いてください。
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目安なのでざっくり。多少差異があっても、ケモ手が小さくなりすぎない限りはどうにでもなります。
指と指の間は、縫い代と厚みを付けるので、できるだけ大きめに取っておきます。
1b. 型紙を印刷する
そんなのめんどくさいし難しいよ、という人は買った型紙を使ったほうが早いです。印刷して使います。
国内だと日陰工房や四つ足カルテットで、海外だとYBLSuitsやKemonoKapiで購入できます。
この記事を購入した場合にもBOOTHと同様のパターンをダウンロードできますので、お好きな方で購入してください。
プリンターで印刷して切り出して使います。
手首の長さは適当に延長したり、短くして使いましょう。
2. ファーを切り出す
型紙をファーの上に置いて切り出します。
ファーの切り出し方はこの前の記事を見てください。
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裏地はさらに1cmほど一回り大きく切り出してください。
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3. 縫い代をバリカンで刈る(オプション)
縫い代を刈っておいたほうがきれいに仕上がります。
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バリカンで縫い代のファーを全部刈っておきます。
まあまあめんどくさいです。長毛ならやらなくてもほぼ分かりません。
短毛ファーとかストレッチボア使ってるとかで、めちゃめちゃ仕上がりを気にするのならやるに越したことはないです。
4. 肉球を縫う
ここは人によってやり方が分かれますが、私は肉球は上から縫っちゃいます。国内でもちょくちょくこのやり方をここ数年で見るようになりました。海外だとこのやり方のほうが多い印象です。
肉球の生地をケモ手の生地にまち針で止めて、上からミシンで肉球の形に縫います。
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その後、縫った箇所のへりを裁ちばさみで切り落とします。
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5. 爪を付ける
爪のあるキャラならここで爪を付けます。ないなら飛ばしてください。
爪はさくらを太くしたみたいな形の型紙を作って生地を切り出し、外側を縫って中に綿を入れて、指の表に小さな切れ込みを入れてブランケットステッチやかがり縫いで縫い付けます。
多少厚みがあって少し硬めでテロテロしていない生地のほうが作りやすいです。リアルっぽくするならビニル系の合皮、デフォルメキャラならフリースとかベロアとかフェルトとか、生地は薄すぎなければ何でも良いと思います。
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樹脂や粘土等の素材で爪を作って、Gクリヤーで貼り付ける場合はすべて脱い終わった後にやったほうがいいです。私は3Dプリンターでも作ってます。
6. 縫い合わせる
表と裏を縫い合わせます。表同士を合わせて縫うのを間違えないように。
裏地がある場合は一緒に重ねて縫います。
縫うだけなので特に言う事はないです。
7. 肉球に綿を詰める
肉球の裏にあたる生地を1cmほどカッターで切って、中に綿を入れてからブランケットステッチで縫って戻します。
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表の生地まで切ってしまわないように注意。
最後に表に返します。
8. バイアステープを縫う(オプション)
正直売り物にしないならこの工程は要りません。まずほつれることはないので、基本的に見栄えのためだけの工程です。
手首の縁にバイアステープを付けます。市販のものを買ってきて使うのが一番楽ですが、適当な綿100%の生地を切って細くしたものを自作してもいいです。
縁に巻いてまち針を打ち、ミシンで一周縫います。
樹脂製の爪を接着剤で付けるならこの後で。
これで完成です。
作り方応用編
その他のある程度定番な作り方を紹介します。
ウレタンベースを使ったケモ手
ウレタンやカネフォーム、綿などであんこを作るタイプのケモ手です。
原型を作り、それをガムテープ等で型取って作るのが最初は作りやすいと思います。
にゃんのケモ手は軍手にウレタンを盛って、それを型取りして作っています。
立体的なケモ手のパターンを平面作図で作る
以下の動画では、平面作図で作る方法も紹介されています。ある程度、洋裁の平面作図の知識が必要です。
縁かがりで肉球を縫い付ける方法
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昔はこのやり方で縫ってました。
肉球の生地2枚を縫い合わせてクッションを作り、それをケモ手に開けた穴に縁かがりで縫い付けます。
手縫いが上手い人であればより縫い目が目立たないですが、全部手縫いする必要があるのでものすごく時間が掛かります。
その他
手首はあんまり短いと中が見えてしまうので、ちょっと長めぐらいで作っておいたほうが便利です。
ハーフスーツで出すときも袖に隠しやすいですしね。
まとめ
ケモ手は割りと細かい作業が多くて、サイズの割には時間が掛かります。特に手縫いはかなりキツイです。
そのため、今回はミシンだけで完成させられる工程を紹介しました。
ケモ手は練習すれば簡単に作れるようになるので、良い練習になるのではないでしょうか。
それでは。
明日の記事は「逆関節なケモ足の作り方」です。
それでは。
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