見出し画像

都の西北【早大学院】

早稲田大学高等学院」は、早稲田大学直属の附属校として設置された最初の学校である。校舎を練馬区石神井に構えた同校は、長い歴史と伝統。そして早稲田大学附属の通り、早稲田大学へそのまま進学できる事から都内でも有数の人気高。そして難関高としても名高い。

高等学院では、生徒達は「学院生」と呼ばれ、正式な書類や掲示など様々な場面でもこの通称が使われている。

100年を超す長い歴史の中でも、野球部のOBや活躍の他、著名者の影響もあり、「早稲田実業」の名が先に出ることも多いが、2010年に56年ぶりの西東京大会ベスト4に躍り出ると、確実に近年は力をつけ始め、秋・春含めベスト16以降に何度か進出するなど、確実に甲子園が見え始める距離まで昇りつつある。

対「早稲田実業」戦より。襟ありが「早大学院」

特に2010年は54年ぶりのベスト4。そして41年ぶりの「早早対決」が実現するなど、話題にも上がった。

難関進学校としても知られる「早大学院」は、練習時間もかなり限られている。
平日は授業終わりの15:30から18:00までと短い。
また、他部活との併用もある事から、環境面は決して優れているわけではないが、選手は持ち前の頭脳・そして工夫を凝らしながら、短期集中の練習で進化を図る。

2015年より、週に1度「早稲田大学」のグラウンドでも全面使用の練習が出来るようになった。
6大学野球の強豪。そして日本一経験も有る「早稲田大学・野球部」の空気感や、グラウンド外での野球に対する意識の置き方。
様々な影響をプラスに受けながら、学び感じる事で、当の選手達の意識もより強くなったのではないかと思われる。

一般生徒は私服通学であり、さながら大学のような自由闊達な空気の中。
野球部のグラウンドはかなり異質に感じる。
大声での挨拶。全速力でグラウンドまで走る様子。
頭脳明晰ながら、古き良き昭和のスピリットを心に持つ選手。

勉学だけでなく、野球でも早稲田大の直系である誇りを持ってほしい―。
「都の西北」から始まる「早稲田大学」と同じ校歌を「聖地・甲子園」で歌える日はもう遠くはないはずだ。


この記事が参加している募集