夢を叶える通り道【都立文京高校】
「至誠一貫」の校訓の元。
生徒達は日々勉学に励み3年間を取り組む。
JR「大塚」駅から徒歩7分。
豊島区巣鴨に校舎を構える「都立文京高校」は創立80年を超える。
近年は難関大学への進学実績も目立つなど、都立を代表する進学校へと成長を果たしている。
そんな都立文京高校野球部は2022年。
悲願の夏ベスト8入りを果たした。
初戦で古豪「岩倉高校」を接戦の末破ると、その後の試合では持ち前の粘り強さを見せ、5回戦では「修徳」を倒し勢いのある「都立葛飾野」高校を見事倒しベスト8入りを果たした。
悲願の準々決勝「神宮球場」へと舞台を進めた文京野球部を率いるのは、かつて「都立城東高校」を2度目の甲子園へと導いた梨本監督である。
「壁を打ち破る強さを求める」
聖地の舞台を知る監督の言葉と目標を叶え文京野球部は1つ。壁を打ち破った。
①目標
文京高校野球部には3つの目標を掲げ日々練習に取り組んでいる。
1:甲子園で校歌を歌う
2:周囲から応援されるチームを作る
3:学校生活・学業と両立を図る
都立高校の甲子園は「夢」では無い。
今は「目標」に変わっている
また高い進学率を誇る同校において、特に勉強面を疎かにしてはいけない。
②委員会制度
文京高校野球部は2017年頃より部内に委員会制度を設け、部員間での環境の成長と改革を進めている。
1:練習提案委員会
2:環境整備委員会
4:学習風紀委員会
この制度の設立において自ら考え行動し、言葉を掛け合いより深いチームづくりを選手主体で作り上げられている事がわかる。
③練習環境
決して同校はグラウンド・練習環境が恵まれているとはいえない。
都電荒川線が近くを走る閑静な住宅街の中。
他の部活動との共同での使用が多い。
特に全面使用できる曜日は「金曜」のみ。
他の曜日では半分での使用や、場合によっては全くの使用ができないため、空いている箇所でのティー打撃など。選手達が自ら場所を見つけ工夫を持ち練習に取り組んでいる。
それでも土日は練習試合で使用できる程の広さを要している。
練習試合で見つけた課題を平日に取り組み消化していく。
そしてまた試合に挑んでいく。
環境に決して恵まれずとも選手達が主体的に工夫し練習に取り組む。
もちろん「勉強」も疎かにすることはない。
「小山台」
「城東」
「国立」
かつて聖地に舞台を進めた都立高校は環境面では同じように恵まれずとも、文武両道に励み目標を叶えた。
ベスト4の壁は高かった。
それでも新たな歴史を刻んだ「文京高校野球部」は無くなることのない原動力を身につけ、いつか甲子園の舞台で躍動する。