ピアノ練習017
トンプソン第1巻13、14曲目。プラスおまけ。
ハ長調の上昇音階「城壁をのぼる」
曲の前に先生向けの音階の教え方と意義、生徒向けの長調の音階の説明が挿入されています。これまでは音階の一部を使った曲ばかりでしたが、ここからは連続した8つの音からなる音階の端から端までを使った曲を練習していくわけです。とはいえ一気に難しくなるかというとそんなことはありません。左右の2から5の指8本をそれぞれの音に1対1で対応させることで、指をくぐらせたり手を越えさせる必要がないように配慮されています。
実際に最初の課題曲もなんてことはない簡素なもの。歌詞もないので表情もどうつけたらという感じ。初出の速度記号Allegroとしては少し遅い気もしますが、併記されているテンポ記号の方を参照して120bpmのつもりで弾いています。
ハ長調の下降音階「鐘の音」
上昇があれば下降もある。長調の場合はとくに気をつけることもないですね。1個飛ばしの下降が、指使いの関係で右5→右3→左2→左4、右4→右2→左3→左5と左右で指のセットが入れ替わるのがいやみたらしい。それと、やっぱり両手が近すぎて重なるとこれはこれで動かしにくいし混乱します。最後みたく両手が離れるのも同時に目視するのが困難になりますが。移動先の手のポジション、1音目の指使いをいちいち考えているようでは間に合いません。
また、ペダルについても少し触れてあります。一番右のダンパーペダルのことでしょう。先生から許しが出たら、始めから終わりまで踏んだままにしてみよとのこと。ほほーーーようわからんけどおもろい。
どうでもいい話なんですが、ここでおそらく「不明瞭」の意で「不明𨻶」とあります。そんなことばがあるのかと「明𨻶」や「明隙」でウェブ検索すると、なんと文中に「明瞭」を含んだ古めのpdfファイルがヒットしました。歴史ある教本ですし、どこかのタイミングでOCRした際に、「瞭」を「𨻶」と認識して誤植するに至ったのではないでしょうか。しかもただの「隙」ではなく俗字の「𨻶」なのがさらにポイント高い。
おまけ
これまで導入書含めずっとトンプソンの教本にしたがってやってきました。ほんとうに唐突ですがこれは違う曲。コナンのOP「謎」で有名な小松未歩さんの「glass」という曲です。20年以上前(そんなに!?)のカップリング曲もサブスクでホイホイと聴けてしまうのだから便利なものです。
なぜ突然のポップス、しかもこの選曲、主旋律だけ?順を追って説明していきます。また話が脱線するようですが、わたしはアニメを少々嗜んでいまして、TVアニメ「ラブライブ!スーパースター!!」という作品で描かれるスクールアイドルグループLiella!が、このたび2ndアルバム「Second Sparkle」をリリースしました。
その中の「君を想う花になる」嵐千砂都(CV.岬なこ)を気に入りました。ではその曲をピアノで弾こうと思ったかというとそうではありません。なぜかこの曲を脳内再生含め聴いていると、先の曲「glass」が不意に頭の中で流れてきたのです。
何の接点もない2曲がどうして連想されたのかしばらく不思議だったのですが、どうも両曲の拍子がともに8分の6拍子だということに気がつきました。8分の6拍子、教科書の中だけでなく身近にあったのだと感動しました。わたしは小学生時代の、約分したら4分の3拍子と一緒じゃんという誤りに、齢26にしてようやく気づくことができました。付点4分音符を1拍とした2拍子と見なせばよいのか。
ただ、ポップスとしては少数派とはいえ拍子が同じというだけで連想するものだろうかと疑問は続きました。自力で調べられそうなのが調くらいだったので、地道に耳コピしてメロディーを起こしていくことに。結果的に「glass」は変ロ長調から転調して嬰ヘ短調?「君を想う花になる」はハ長調?で関係調ですらないようです。ではコード進行?伴奏?あるいはやっぱり拍子が珍しかっただけなのかもしれない。
そういうわけで、せっかく丸々耳コピしたのだから記譜して弾いてしまおうとなりました。けっこうな挑戦をしたものです。まず耳コピが初めて、隣の音になると上がっているか下がっているか判別できないほどに音感がないので、1音1音歌ってはスマホアプリでピッチを測定、正しくできているかは全然自信がありません。
記譜は無料の楽譜作成サイトFlatを利用しました。再生機能でリズムを確かめられるのは助かりました。指番号は左右区別なく書いていますが、どのみち覚えていかないと弾けないので手を抜いています。記譜のルールは多少調べましたが、タイや連衡の付け方などはどこまで合っているのかわからない。自動処理がないといちいちぼうがどっちだの七転八倒ものです。
演奏も和音無しとはいえ難しいです。拍子感がわかっていても指に反映されない。2拍子、4拍子の3連符すらまだ練習したこともない段階です。転調は4小節終わってすぐの1回だけですが、単純に黒鍵が多くて短調でもあり、いろいろとすっ飛ばしています。とりあえず大きなミスなく弾ききったというだけで良しとしましょう。
おわりに
さて、おまけが本編といったボリュームの今週でした。大変だったのは間違いないものの、いろいろと勉強になったしなにより楽しかった。世間的には無名だと思いますが、大好きな曲なんですよね。メロディーだけとはいえそれが自分で奏でられる、こんな喜びは他にないです。歌詞もこのうえないのでよかったら原曲の方を聴いてください。あと他の未歩さんの曲とLiella!の曲も(欲張り)。
とても楽しいのですがピアノの練習としては非効率なので、ほどほどにして教本をまた進めていくことにします。それこそもっと上手になって、伴奏やハモリもつけたレベルアップした譜でまた弾いてみたいなと夢みています。
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