落葉をためる
この夏は、ひどく植物が灼けてしまっている。
わたしの住む、神奈川の北側は空梅雨だった。そこにこの猛暑。
近隣の農家のおじさんいわく、里芋の葉が枯れちゃうくらい。
昨年の暮れ、落葉を掃いて取り除くのをやめてみた。
吹き寄せられてくるのを、むしろ、木の根元や、多年草の株周りに集めることにした。
落葉のマルチング。
いままでは、次の夏が来ても枯葉が残っているのが、気になっていた。
旺盛な緑のなかでは、くたびれた感じが妙に目立つ。
くわえて、新年を、さっぱりした庭で迎えたいというのもあった。
森林だと、半年も経つと、落葉の存在は消えてしまう。ように思える。
分解され、土に還っていくスピードが、
森林と庭とではあきらかに違う。
周囲の環境、面積、いろんな要素が絡み合っているのだと思う。
そこに生えていたものが、土に還っていく。
ごくふつうの自然なサイクルなのに、庭ではその過程が「自然に」目に映らないことがある。
そんなとき、庭が、人為的な場なんだと、意識する。
で。思いたって、「自然」のまま残すことにしてみた。
集めたりしてるから、完全に自然ではないけれど。
いまは。昨冬の枯葉が、わずかに残っている。
分解するより、風で飛んでいったほうが多いかもしれない。
思い込んでいたほど、枯葉の存在も気にならない。
見慣れただけかな。
いちばんの変化は、落葉を集めて覆った株は、この夏あまり灼けていないことだ。
いつもの年なら、草丈のうち、下半分の葉は焦げて枯れる。
そのうえこの暑さなのに。
すごい、やるじゃないか。
吾亦紅は、とくに落葉の恩恵を受けている。
いちばん落葉が吹き溜まっていた株は、いつもより多く花がついている気もする。
これからはこんな暑さがふつうになるのかもしれない。
落葉、ためておかなくては。