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風に揺れるのは
お昼ごはんの支度をしていたら、真っ黒な雲が西からぐんぐん迫ってきた。風が強くなり、雨がさーっと通り過ぎる。
強風が短時間でおさまったことに、ほっとしつつも、もう一回吹き荒れてもよかったかも、とも思う。
数日前の暴風に、向かいの林は大荒れだった。枯葉や木切れや、ビニールの切れ端やら、得体の知れないモノが空を舞って、こちらまで飛んでくる。
午後になってもいっこうにおさまらない風の中、なんだか林が明るく見えてくる。
林の縁にそって生える山桜や小楢の落葉樹に、昨夏からの葛の残骸が絡みついていた。遠目には、すっかり蔓がかぶって、枝が見えないくらいだったのに。
ごうごうと風に揺すられて、蔓が千切れ、落ちていくようなのだ。そのおかげで、わずかに見通しが良くなっているのだった。
もちろん、葛は強靱な植物で、取り切ることはとてもできない。落ちるのは、全体からしたら、ごく一部に過ぎない。
けれど、その様子は、春の嵐をとらえて、木が意志的に体から落としているようにも見える。
だから、今日、もうちょっと風が吹いたら、もうちょっとだけ、蔓が落とせたかもしれない、と思うのだ。
追記。
投稿してから数時間後、大粒のあられが降りしきり、強風カムバック。
枝も折れよとばかりに吹いている。長いです。
これも、あたらしい季節を本格的に迎えるにあたっての現象だと思うと、
今日が春分の日なのも、感慨深い。
ですが。木を揺らしまくっている様子、撮ってみたけどわかりにくかったです・・・。
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