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私の知らないコインランドリーの世界
先日、生まれて初めてコインランドリーを利用した。
学生時代、友人に付き添ってコインランドリーに足を踏み入れたことはあった。うらびれた建物の薄暗い室内に並んだ古い洗濯乾燥機の一つに友人が洗濯物を投げ込み、仕上がるまで外で時間を潰したのは四半世紀も前になる。
けれど、自分で利用したことはなかった。
自宅の洗濯機ではどうにも洗うことのできない大ものを洗いたくて、ついにコインランドリーの世話になることになった。
数年前の開業当初から気になっていたコインランドリー。
通りに面した側は大きなガラス窓になっており、中には洗濯乾燥機が整然と並んでいる。見知らぬ人と居合わせた時の気まずさや不安も感じずにすみそうな内装。車で通りすがりに眺めただけでもわかるくらい、閉塞感がない。
いつか使うことになったらここにしようと思っていた。
今日がその日だ。
初めて自らの意志で足を踏み入れたコインランドリーは眩しかった。
清潔感溢れる白を基調としたお洒落な室内。中央には洗濯物を畳むために広く大きなテーブルが置かれている。用途や容量の違いに応じた洗濯乾燥機がずらりと壁を埋め尽くし、窓際には座り心地のいい椅子や雑誌まである。
カフェかここは???
私の記憶にある平成のコインランドリーとは全然違う。
その上かつては数個のスイッチで完結していた洗濯乾燥機も、やれることや洗えるものが増えた結果選択肢が豊富になっている。
思わず頭がパニックを起こすくらいに、完全なアウェー。
どうすればいいスカイハイ、どうすれば!(『TIGER & BUNNY』最高)
迷わず店員さんに助けを求められるようになったのは、年を重ねたおかげかもしれない。
笑顔が素敵な店員さんは勝手がわからず右往左往する私に優しく洗濯乾燥機について教えてくれた。基本的な使い方だけでなく、機械の種類によってやれること洗えるものの違いから支払い方法まで。
まさに救いの神である。
おかげさまで懸案だった大もののを洗い上げることができた。
次こそは自力でスマートに洗濯乾燥機を使いこなしてみたいものである。
それにしても最近のコインランドリーは洗濯物が仕上がる直前に連絡をくれるというから驚きだ。だから稼働している洗濯機のわりに店内に人がいなかったのか!
本当に便利な世の中になったものだ。
システムを考えてくださった方、機械を作ってくださった方々に深い感謝を!