ほぼ毎日おにぎりを握る 【4年目の考察】
6月18日は「おにぎりの日」。
日本最古の“おにぎりの化石”が出土した石川県の旧鹿西町(ろくせいまち)にちなんだ「6月」と、米という字に“十”と“八”が含まれていることから米食の日とされている「18日」が合わさって制定されたのだとか。
わたし自身は、SNSでおにぎりの投稿をはじめてから3年が経ちました。
せっかくなのでこの機会に、ほぼ毎日おにぎりを握ってきて感じたおにぎりの魅力についてまとめてみようと思います。
まだ飽きはこない
「自分のために1日1個、おにぎりを握ろう」
そう決めたのが、2020年の5月。
▶おにぎりを握りはじめた経緯は下記の記事でもご覧いただけます。
きっと続かない。
はじめはそんな風に思っていました。
ただでさえ飽き性のわたし。毎日おなじメニューだなんて、さすがに長くはもたないだろうと。
それにおにぎりのバリエーションといっても、せいぜい思いつくのは10種類くらい?けっきょく同じ具材のルーティンにハマってそのうち嫌になっちゃうかもなぁなんて、内心では心配していたんです。
だけど毎日おにぎりを握る生活も4年目となり、最初に感じていた不安はあっさりと蒸発していきました。取り越し苦労、だったようです。
なんでおにぎりは毎日食べても飽きないのだろう??
これについてはもう、理屈じゃない気がしています。
日本人の主食「お米」。つやつやで、ふっくらとしていて、やさしい甘みを含んだお米を食べると、体の芯の芯が喜ぶ感覚。
離乳食からお米を食しているわたしたちにとって、白米はもはや飽きるとか飽きないとかの世界線にはないのかも。
そしておにぎりでいうと、“ごはん”にマッチする食材って無限にある。「この組み合わせはどうだろう?」と、実験的にアレンジを楽しんでいるうち、気がつけば3年が経っていたという実感です。
▶ 365日分のおにぎりレシピが書籍になりました。
握るのと食べるのと、幸せなのはどちら?
人に握ってもらったおにぎりっておいしい。
子どもの頃からずっとそう思っていました。少し記憶をたどるだけでも、家族や仲間が握ってくれたおにぎりのやさしい味わいが思い出されます。
手のひらにそっと包んで、ふんわりふんわり形成する、おにぎり。
ひとくち頬張るとごはんがほろほろと口の中でほどけて、握った人の愛情や、想い、温かさが、脳にまでじわじわ広がる感じ。
…だけど、それだけじゃなかった!
来る日も来る日もおにぎりを握り続けてきて感じました。
おにぎりは、握る方も幸せ。
わたしは普段、自分のお昼ごはん用におにぎりを握っています。イマイチ調子が出ない日もあれば、悩みごとや心配ごとで心にもやがかかる日も。今日はもうお昼ごはんパスしようかなと迷う瞬間だってあります。
もちろん無理はしないのが前提ですが、とりあえず毎日の習慣としておにぎりを握ってみる。作ってみてどうしても食べたくなければ、冷凍保存したってよいのだし。
鬱々した気持ちでキッチンに立ち、ラクに作れる具材だけを選び、両手で三角おにぎりを握る。
すると不思議なのですが、さっきまで重かった心が、ふわっと軽くなったような気がしてくるのです。ここちよい、浮遊感。
そしておにぎりが完成する頃にはお腹もウェルカムな状態になっていて、食べ終わる頃には「もうちょっとだけ頑張ってみよう」という気持ちに。
おにぎりは食べる人を癒やすだけでなく、握る人の心をも救う食べものなのかもしれない。
もしおにぎりを誰かに食べてほしくて作るなら、“握る”とは、自分のうちなる愛情を可視化できる行為でもあるのでは?自分にはおにぎりを食べて欲しい大切な存在がいる。それを確認できることで、嬉しさや勇気がぽこっと湧いてくる。
わたしの場合は自分におにぎりを握ることで、毎日小さな自己肯定を積み重ねています。大丈夫、大丈夫と、自分の肩をポンポンしている感じ。
ずっと“食べるおにぎり”の魅力ばかりに魅せられていたけど、実は“握るおにぎり”にこそ大切な何かが詰まっているのかもしれないと思いはじめました。
おにぎりはライフワーク
やっぱり、おにぎりってタダモノではない。
ほぼ毎日おにぎりを握り続けているのに、飽きるどころかどんどん好きになっていく。いや、おにぎりってすごく当たり前にある存在で、好きだとか嫌いだとかの感情を抽出することさえ野暮なのかもしれません。
この先、仕事が変わったり、人生に変化が訪れたり、おにぎり作家としての活動がなくなったとしても、おそらくわたしはおにぎりを握り続けるでしょう。
おにぎりと一緒に脳に染み付いた記憶を、ときどき撫でては愛しさに心を委ねることでしょう。
おにぎり作りに料理の上手い下手は関係なし。手間も時間もかけなくても大丈夫。自分らしいおにぎりを、今後も楽しみながら握っていきたいです。
日々おにぎり/ゆこ
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