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とあるフェミニストと会話して悲しい気持ちになった話

ネットをウォッチしていると、注意深く見ていなくても、フェミニズムの話題が多く見られるようになりました。テレビも新聞も見ないので、マスメディアでどれくらい取り上げられているのか把握していません。しかし、少なくとも、ネット上では盛り上がっているように見えます。

三姉妹のシングルファーザーで、仕事をしながらひとりで家事育児をしている立場から、女性に家事育児の負担がかかっている状況を問題視する発言を繰り返してきました。フェミニズムというものがどういったものなのか把握できていないのですが、この女性の負担を解消するというのもその範囲だと考えていたのです。そういう前提で、この文章を読んでいただければと思います。

さて、先日、知り合いの主催するイベントで、とあるフェミニストの方と(数分間だけですが)お話しする機会がありました。その知り合いの理念には共感するところがありますし、主催するイベントについて批判をするつもりはありません。ただ、そのイベントのゲストだったフェミニストの方の発言に悲しい気持ちを抱いたので、ここに記録しておこうと思います。

まずは、そのフェミニストの方のトークセッションが始まったわけですが、ここですでに「え!?」という感覚が脳内を駆け巡っていました。

「炎上上等」と、はっきりとおっしゃっており、「炎上すれば知名度が上がる」というニュアンスのことをおっしゃっていました。たびたび議論を巻き起こす方だという予備知識はありましたが、ご自身で「炎上上等」と言ってしまうことに違和感を覚えました。

炎上させることで意見を議論の場に上げるという手法はあっても良いと思いますが、公の場でそう言ってしまうのはどうなのかなと思いました。トークの全体を聴いていると、この発言はその方なりの冗談の一種だという気がします。ただ、冗談だとしても、こういった内容を口に出してしまうことに「なぜ言うの?」という気持ちになりました。

ちなみに、僕は、ネットで遊び、ネットで学び、ネットを使って生活費を稼いでいます。炎上を狙ったかのような発言をする人がいると、それだけで苦手意識を持ってしまいます。今回のように、影響力のある方の場合は、特に気をつけて欲しいと思っています。

続いて、「男」「女」についてです。トークセッションの全体を通して、「男は」「女は」という言い回しが多かった印象です。その方の中では、「男」と「女」ステレオタイプが出来上がっているようです。そして、男性に対して攻撃的と捉えられる発言が多かったように思います。

「男性起業家は、中洲で遊ぶために起業している」「女性起業家は、社会のために起業している」とおっしゃっていました。正確な発言は記憶していないのですが、ほぼこのままの発言で間違いないと思います。

僕は、「男性起業家」です。シングルファーザーとして子どもの世話をする時間を確保するために起業しました。また、メンバーは常時リモートワークをしており、厳密な時刻の管理はしておらず、子どもの世話をしながら仕事をできるようにと考えています。ワーキングマザーやワーキングファーザーが働きやすい環境のモデルを作れたらいいなと思っています。

男性起業家と一括りにされると、少し嫌な気分になりますね。それに、僕のまわりには、中洲で遊ぶために起業した男性起業家はいません。どうやったら、そのようなステレオタイプが出来上がるのか不思議です。起業家に限らず、男性を印象論だけで語っているように感じました。それとも、ポジショントークなのでしょうか。

さて、一方で、「女性」についてはどうでしょうか。ここで、舞台はトークセッション会場から懇親会の会場へと移ります。

僕は、常々問題視していることがあります。それは、家事育児の主体となっている女性自身が「家事育児は女性がするもの」だと思い込んでいるということです。今回のフェミニストの方も言われていましたが、今の若い女性はそこから抜け出している印象はあります。しかし、普段学校関連で接している地方(福岡)在住のアラフォー以上の女性は、いまだに家事育児を女性の仕事だと考える人が多いようです。

この問題についてのご意見をお聞きしたい(僕の思い過ごしである可能性も含めて)と思い、懇親会の間に思い切って声をかけてみました。

3人の子どものシングルファーザーであることを伝えると、すごく興味を持っていただいたようです。続けて、男が毎日ご飯を作るだけでママさんたちに褒められるという話をした時点で、「褒めるだけ?ご飯を作ってくれたりしないの?」と聞かれました。

頭の中が「?」でいっぱいになりました。なぜ、ママさんたちが僕のためにご飯を作るという発想になるのでしょうか?

本題に戻すべく、ママさんたち自身が家事育児を女性が担当するのが当然だと思い込んでおり、本人たちもその思い込みに気がついていないようだとお話ししました。それに対するお返事はこのようなものでした。

「そこにつけ込んでご飯を作ってもらえばいいのよ」

言葉が出ませんでした。また、僕の後ろに名刺交換を待っている方がいらっしゃったので、すぐに会話を切り上げて退散しました。悲しい気持ちが脳内を飛び出して体中を駆け巡っていくのを感じます。

女性の家事負担が問題なのに、本人が気がついていない。という問題を主題とする会話をしているつもりだったのですが、なぜ僕のために女性の家事負担を増やすという発想になるのでしょうか。僕の会話能力が足りなかったのでしょうか。それとも、その方の発言を歪んだ形で捉えてしまっているのでしょうか。

著名な方ですから、挨拶の順番待ちが出来ています。もっとゆっくり会話ができれば、また違ったご意見をいただけたのかもしれません。しかし、あらためてトークセッションを振り返って、それから、しばしば目にする炎上を振り返って、その方の言う「女性」が「すべての女性」を指すものではないということに気が付きました。

いわゆる「主語がでかい」傾向のある方のようですから、当然、その方の口にする「女性」は一部の女性だけを指す言葉であると考えられます。また、簡単にGoogleの検索結果を眺めただけでの感想ですが、どうも、専業主婦のことを良く思っていないようだという印象を受けます。これは、僕の印象にすぎませんので、事実かどうかは判断できません。

ここまでが、悲しい気持ちになった話です。

その方の中で出来上がっている世界についての言及(「男は」「女は」というステレオタイプ)。ポジショントーク(自分に不利なデータは隠すといったニュアンスの発言をしているようです)。趣味の悪い(と僕が感じる)冗談(今回のトークセッションの中でもちらほら)。この3つのうちのどれに該当する発言なのか判断できないのは、僕が未熟だからでしょうか。しかし、どれに該当したとしても、あまり良い気分ではありません。

一部の過激なフェミニストの存在により、適切に活動しているフェミニストにまで悪い印象が付いてしまうとう状況があるそうです。男女の対立を煽るのではなく、本来の「男も女もそれ以外の人も生きやすく」という道を模索していきたいものです。

なお、この文章は、「自分が悲しい気持ちになった」という事実だけを伝えるもので、登場するフェミニストの方を非難するものではありません。何も問題としていませんし、誰かが間違っていると言うつもりもありません。ゲストとして相応しくなかったとも考えていません。イベントを主催されたみなさんのことは応援していますので、今後のご活躍をお祈り申し上げます。

この件に関連する話題については少ないですが、僕の普段の考え方については、こちらのマガジン(無料)にまとめています。


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宮崎ひび
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