高性能住宅で買うべき/やめるべき洗濯乾燥機
こんにちは、HIBI HOMEです
今回は、家の性能と洗濯機の意外な関係についてお話します
家づくりと家電選びは一心同体
新築購入時など、ライフステージの境目では
いろんなものを新しくしたいって考えちゃいますよね
その結果新しいものを買うこともあるでしょうし
コストや既存品の購入タイミングの都合などで、元々の家のものを使い続けることもあると思います
洗濯機も、そういった住宅購入時に買い替えるか悩む家電の一つだと思います
我が家も、3年ほど前に賃貸住宅向けにドラム式洗濯機を購入して使用しているのですが
この記事のことをまじめに考えるまえから、なんとなく買い替えようかな?などと浮かれた気持ちになっていました(笑)
※洗濯機の法定耐用年数は6年で、実際の寿命は10年ほどですので、長く使うに越したことはありません。気を付けろ自分(笑)
乾燥機能は家事の味方
近年は、ドラム式洗濯機をはじめとした乾燥機能付きの洗濯機がよりシェアを伸ばしてきている印象があります
たしかに現代人は忙しいですし、共働き世帯も増加しているので
賃貸でもドラム式洗濯乾燥機を購入する人が増えている印象です
乾燥機能が付いていれば
洗濯開始ボタンを押したらもう乾燥までやってくれてめちゃくちゃ便利ですよね
洗濯終わりに家で取り出すスタンバイも必要ないし
ハンガーに干す必要もない
だから昼間に趣味や仕事で外出しても良いし
夜飲み会で帰りが遅くなっても大丈夫
個人的にはお金がかかっても購入すべきアイテムだと思いました
ただここで注意したいことがあります
それは
高気密住宅に住む人にとっては
どんな洗濯乾燥機でも購入してよいというわけではない
ということです
この続きを読むことで
高性能住宅を建てる方にとって
- 無駄に買い替えをする手間が減る
- 無駄に買い替えをするコストが減る
- 家づくりの心配事が減る
そんなメリットが得られると思いますので
ぜひ最後まで読んでいってください
我々は「家の勉強は楽しい!」をモットーに
2023年に高気密高断熱な注文住宅メーカー一条工務店と契約してから得た、家づくりのノウハウを発信しています
性能面は理系の夫が
間取り・デザイン面は妻が中心に日々勉強しています
Instagramでは視覚的にわかりやすく
noteでは言語で体系立ててまとめていますので
よければ他の記事やInstagramもご覧になってください
それでは本編いきましょう
高気密住宅で採用しない方が良い洗濯乾燥機がある?
世の中で販売されている洗濯乾燥機のうち
とある製品を購入してしまうと
きっと洗濯機を買い替えるレベルの問題が起きてしまいます
その大変なこととは
臭い
です
そして、それを引き起こす製品とは
日立のドラム式洗濯乾燥機
です
まさかの、洗濯機業界トップシェアの日立が落とし穴になってしまうことがあるのです
日立の洗濯機は従来から
Panasonicなどの高級路線のメーカーと比べても
高品質なものを、若干お安く手に入れられるメーカーという印象なので
多くの人が日立のドラム式洗濯機を一度は検討し
結局バランス取れててコスパ良いのは日立だよね~
といった感じで選んでしまいがちなメーカーです
また、トップシェアなだけあって
リサイクルショップ等での中古品流通量もピカイチです
(もしかしたら臭い問題に直面したユーザがリサイクルショップに売っているという側面もあるかも)
それもあって、今回の件は非常に厄介なトラップだと言えるでしょう
では、なぜ日立の洗濯乾燥機で臭い問題が発生してしまうのでしょうか?
その原因は日立の独自の乾燥方式にあります
乾燥機能は、ヒータなどを使って熱を生み出して庫内を通過させることで
洗濯物の乾かして(水分を吸い取り)
ジメジメした暖かい空気を何かしらの方法で捨てる
ということを繰り返して衣類を乾燥させる機能です
そのジメジメした暖かい空気を捨てる方法が実はメーカーによってばらけており
日立は以前よりヒートリサイクル方式という独自の熱回収方法を使用しているためなのか
湿気の捨て方には空冷除湿方式というものが採用されていました
日立が採用する空冷除湿方式は
ジメジメした暖かい空気を排水管に向かって捨てる方式なのですが
この時、排出された熱い空気が、排水管の排水トラップにある水を完全に蒸発させてしまうと
下水側から洗濯機内部までの空気の通り道ができてしまいます
一般的な住宅では、こうなったからといってそこまで影響がないこともあるようですが
気密性の高い住宅ではこの臭気の逆流現象が顕著に発生してしまうのです
高気密住宅は、換気計画された給気口以外からはほとんど空気が入ってこない(そもそも空気の通り道がない)という性質があります
そのため、一度排水トラップの水がなくなるなどして穴ができてしまった場合は
トイレの換気扇やレンジフードを回したときにその穴から外気を吸いこみやすいため
下水側から非常に効率的に臭気を吸い上げてしまうことになるのです
結果として、洗濯機を置いてある洗面所や、洗濯している服そのものに下水の臭いがする
といった悲惨な状況になってしまうのです
このことについては
アールデザインの今泉さんもかつてYouTubeで解説されています
こちらの動画もぜひ参考にしてください
https://www.youtube.com/watch?v=qTYIWJ3sh9A
ちなみに他社は大丈夫なのか?という話なのですが
他社は水冷除湿方式を導入しているため問題が起こりにくいのです
詳しい原理は割愛しますが
水冷式は熱を排水側に放出しつつも、空冷式より多く排水管に水を捨てる必要がある方式なので
排水トラップの水が枯渇してしまう可能性が低いのです
でも近年は状況が変わってきた
ここまでで、皆さんの不安をあおってしまったような気がしますが
近年は問題を回避できるポジティブ要素も生まれてきています
実は日立は近年、洗濯乾燥方式や除湿方式を変更しており
2021年9月には
他メーカーに近い排熱・除湿方式になっていたのです
これらのことから
- 最新のものを家電量販店で買う人はセーフ
- 2021年9月以降に発売された機種を使おうと思っている人もセーフ
と言えるでしょう
2021年8月に発売されたモデルは、多分除湿方式的には問題ないと思うのですが中途半端な状態ですね
(まさに我が家が入居直前まで使用していたものです…)
もし新築入居前の日立製洗濯機を流用したり、中古品を買ったりする場合には、その型式の発売年月が古すぎないように注意しましょう!
ちなみに、除湿方式が空冷式の旧型であっても
水冷式に変更できる裏設定があります
こちらも、これまでの洗濯機を使い続けたい!という方の助けになるかもしれないですね
問題がない機種間にも優劣がある
とりあえず、前記までで臭気問題については説明できたことになるのですが
もう一点洗濯機選びのポイントがあります
言いたいのは、今持っている or 中古で買おうと思っている洗濯乾燥機が
臭気問題に引っかかっていないかったとしても
別の洗濯機を検討した方が良い場合もあるということです
ここで着目するのは
洗濯にかかるランニングコストです
2021年以降の日立製品や、他社の洗濯機は水冷式の除湿方式を使用していると述べましたが
水冷式は空冷式よりも水道代がかかるので
洗濯一回当たりのコストが大きくなりがちという問題がありました
その課題を認識してか
日立は、2021年の乾燥方式改定に続いて
2023年11月に
再度乾燥方式の変更を行って消費電力の方を削減する作戦に出ました
元々は低温ヒート式という
1Wの電力を使うと最大で1Wの熱を作り出せる方式だったのですが
2023年11月からヒートポンプ式に変更になりました
ヒートポンプはエアコンを中心に使用されている仕組みで
1Wの電力からその何倍もの熱を生み出せる画期的なシステムです
このことから、ヒートポンプ式の洗濯乾燥機を用いると
乾燥にかかる電気代が節約できることになります
乾燥機能は洗濯乾燥機の運転のうちで消費電力の大きいポイントですから
全体の電力消費が乾燥方式の良し悪しで決まると言っても過言ではありません
実際に洗濯乾燥機を購入するときには
乾燥方式がヒートポンプ式になっているか
(日立を買うなら2023年11月以降モデルか)
をチェックしたうえで購入すれば
低消費電力を極めた真の高性能住宅に近づくのではないでしょうか
ちなみにここまでの説明で日立の進化すごい感が出ているかもしれませんが
実はヒートポンプ式を最初に導入したのはパナソニックであり
日立が導入するころには、各社すでにこの乾燥方式が導入されています
なので、日立はやっと他社に追いついた、と見るのが正しい解釈です
電気代が安くなった分でドラム式洗濯機買い替えの投資回収するのは、非常に長い年月がかかるわけですが
新築だしどうせならデザインの好みや気持ちの観点で買い替えようかな~
と考えている人の背中を押すくらいのメリットはあると思います(笑)
皆さんはこれを読んで、新居の洗濯機をどうしようと思いましたか?
初期費用・見た目・電気代など観点は様々ですが
とりあえず臭いだけには気を付けてくださいね 笑
ちなみに例年洗濯機の最新モデルは9月10月にリリースされるので
投稿時点(2024年9月)は昨年モデルの価格が下落しつつ
在庫も若干残っているというボーナス期間です
買い替える方はぜひ今のうちにご検討を!
以上参考になれば幸いです
我々は「家の勉強は楽しい!」をモットーに
2023年に高気密高断熱な注文住宅メーカー一条工務店と契約してから得た、家づくりのノウハウを発信しています
性能面は理系の夫が
間取り・デザイン面は妻が中心に日々勉強しています
Instagramでは視覚的にわかりやすく
noteでは言語で体系立ててまとめていますので
よければ他の記事やInstagramもご覧になってください
今回もそうでしたが、水回りは気づかないところで差がついていることが多いです
良ければこちらの記事も参考にしていただければと思います
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