一条の家ならエアコン暖房で全館床暖房的なことは十分できる説
こんにちは、HIBI HOMEです
一条工務店の最大の特徴の一つともいえる全館床暖房は
一条を選んだ理由としてSNSでもよく挙げられており
引き渡し後の施主さんから見ても大好評という印象です
逆に言うと
一条施主の中では床暖房があって当たり前のような雰囲気になっており
エアコン暖房で冬を過ごすときの模様を公開してくれる人をほとんど見つけることができていません
強いて言えばふぇっぴー さんくらいかなと思います
このように、一条施主に絞ると床暖房とエアコン暖房の情報量の差が著しいため
仕様を検討している方からすれば、各暖房方式の客観的な比較ができないんじゃないかと思います
グランスマートなどの高価格帯商品では床暖房が標準で付きますが
オプション料金を払う商品の施主さんからすれば
床暖房の採用有無は金銭的にも重要であり
できるだけ客観的な判断をしたいのではないでしょうか
そこでここでは、床暖房とエアコン暖房について
徹底的に比較していきたいと思います!
※情報の少ない側に寄り添って、多少エアコン暖房寄りの立場でお話ししますが、明確にどちらが良い等と優劣を決定するものではありません。ちなみに我が家にも床暖房は設置されています(グランスマートなので自然についてきたというのが正しいですが)
この記事を最後まで読めば
・一条工務店の全館床暖房の本当の良さがわかる
・床暖房の採用有無を合理的に決めることができ、コストカットにもつながる
といったメリットが受けられると思いますので
ぜひ最後までご覧になっていただければと思います!
我々は「家の勉強は楽しい!」をモットーに
2023年に高気密高断熱な注文住宅メーカー一条工務店と契約してから得た、家づくりのノウハウを発信しています
性能面は理系の夫が
間取り・デザイン面は妻が中心に日々勉強しています
Instagramでは視覚的にわかりやすく
noteでは言語で体系立ててまとめていますので
よければ他の記事やInstagramもご覧になってください
それでは本編行きましょう!
なぜ床暖房とエアコンを真面目に比較したいのか
特殊設備の導入には慎重になる必要があるから
一条工務店の床暖房は、ヒートポンプ式温水熱源機付エアコン(調布製作所の呼称)というもので
エアコンほど多く普及しているタイプの製品ではありません
また、今後この類の製品が世の中でメジャーになったとしても
一条施主は長府製作所の床暖房システムに合わせて配管を用意しているため
故障時の新しい機種はやはり長府製作所の製品を選ぶしかありません
このような状態をベンダーロックインと呼び
メーカーによる値上げや、販売/サポート終了の影響をもろに受けるリスクがあります
また、より性能の良い類似製品が他メーカーからリリースされても、それを導入することが難しくなります
以上のように
社会に普及しきっていない&交換が難しい「特殊設備」の導入にはできるだけ慎重になった方が良く
だからこそ床暖房とエアコンを納得いくまで比較していく必要があると思うのです
反対にエアコンは社会に広く普及し
安価で設置/付け替えも容易ですから
上記のようなリスクを抱えにくい暖房機器と言えます
床暖房には見えないコストがかかっているから
一条工務店の高価格帯商品では全館床暖房が標準仕様となっていますが
標準=無料ではありません
床暖房の設置にかかる費用は、建築費用の坪単価にきっちり反映されていることでしょう
また、床暖房は建築後の固定資産税にも影響を及ぼします
住宅四天王エースさんの動画では、全館床暖房の家は35年間で28万円課税されると試算しています
以下はあらゆる設備について言えることですが
必要以上のお金を取られていないか
有料だったとしても導入したい設備か
導入後の維持費が高額になっても良いか
この辺りを納得して選べると、将来の後悔がなくなりそうですね
一条だからこそ不要な可能性もあると思ったから
床暖房とエアコンで温熱環境に最も差が出るのは断熱性能が低いときです
低性能な家だと
- 床暖房:高めの設定温度でも空間は冷えたまま ⇒ 頭寒足熱
- エアコン:温風がすぐに上昇して床がなかなか暖まらない ⇒ 頭熱足寒
という真逆の温度分布になります
では一条工務店のような高断熱住宅の場合はどうでしょう?
床暖房とエアコンでどれほど温熱環境が変わるでしょうか?
この辺りを客観的に示してくれる情報があったらより判断しやすいですよね
もちろん一条工務店の高断熱住宅+床暖房が快適なのは間違いないはずですが
一条工務店の家に住んでること自体の快適性と
床暖房の快適性の寄与度を個別に分析していくべきだと思うのです
エアコン暖房で家は暖かくなるのか
床暖房とエアコン暖房を比較しようにも
エアコンでヒトが十分に過ごせるまで温めることができなければ勝負にもならないですよね
なのでまずはエアコンで暖房したときに想定される温熱環境について一応確認しておきましょう
床暖房とエアコンの暖房能力
家の中で実現される平均温度は、[住宅の断熱・気密性能]と[暖房設備が投入できる熱量]、[ヒトや家電が発する熱量]等に影響を受けます
ここでは各暖房設備が投入できる熱量を比較してみましょう
長府製作所の温水熱源機付エアコン「RAY-4042X」の暖房能力は最大8.3kWで、13~17畳の空間を想定して室外機が設計されているようです
エアコンの能力は実質室外機の能力で決まるので、室外機を共有している床暖房機能もほぼ同等の暖房能力があると考えられます
一方、エアコン暖房でも同等の暖房能力を実現することは可能です
下記はダイキン工業の廉価版エアコンのスペックですが
暖房能力の最大値で比較すると
ダイキン14畳用 < 長府製作所床暖房(13~17畳用) < ダイキン18畳用
という関係のようで
床暖房と同等の熱量をエアコンで生み出せることが改めて確認できます
まあ一条の床暖房もエアコンも、ヒートポンプという同じ方式の室外機を使用しているので
当然と言えば当然なのかもしれません
断熱等級ごとの温度分布(上下方向)
エアコンでも部屋の中に投入できる熱量は床暖房と同じにできるので
少なくとも14畳~18畳用エアコンを使用すればおよそ同じくらいの平均気温まで温められる計算になります
(本当に14畳用のエアコンが必要かどうかは、要検討ですが)
なので今度はより細かく、温度分布を見ていきましょう
下記は、各断熱等級の住宅毎に、エアコンを使用したときの温度分布をサーモグラフィカメラで表示した例です
右上の断熱等級5の住宅では、天井側が20℃以上であるのに対して床温度が18℃となっています
このように、「頭の付近だけ暖かくて足場は冷たい」という状態が、一般的なエアコン暖房の温度分布と言えるでしょう
しかしながら、断熱等級7の場合は床温度が壁面の温度と差がわからないくらいに均一です
一条工務店で2×6工法のiSMART GrandSMARTに契約して、断熱王のオプションを採用すると、断熱等級7を取ることができますから
エアコン暖房でもこのように上下方向に均等な温度分布ができると考えられます
また、一条工務店の床暖房の場合についてはデータが少ないのですが
私が宿泊体験を行ったときには
「床より2F吹き抜け天井の温度が1℃高い」
くらいの
温度分布になっていました
断熱性が高くなると、床暖房の設定温度も低温で済むため
床の方が温かいということはないようです
以上のことから、断熱性を突き詰めると上下方向の温度分布にはほとんど差がなくなってくることが分かります
快適性はどのように違うか
ここまでで、超高断熱住宅では床暖房とエアコン暖房で温度分布にあまり差が出ない、ということを確認しました
では、住み心地や快適性もほぼ同じなのでしょうか?
快適性という観点を理解するには、熱の移動方式の違いとその人体に与える影響を理解する必要があります
対流熱と輻射熱
熱の移動方式は3種類(対流、輻射、伝導)あり
エアコンは対流(空気の移動)で
一条工務店の床暖房は輻射(暖かいものから出る赤外線)で熱を移動させます
太陽の光やハロゲンヒーター、薪ストーブによる熱も輻射に該当します
また、熱をもらうときだけでなく、体から熱を放出するときにもこれらの方式で熱の移動が行われます
例えば、我々は足の裏から、床に対して熱を伝えています(伝導)
他にも体や衣服の表面よりも空気が冷たければ、その空気が動くことによって徐々に熱が奪われていきます(対流)
さらに、壁よりも体や衣服の表面温度が高ければ、人は壁に対して微量な赤外線を放出する形で熱を放出します(輻射)
これらの熱の移動方式のうちどの割合を多く使用しているかで
人間の快適さは異なると言われています
快適とは何か
そもそも快適であるとはどういう状態でしょうか?
物理的に快適な状態とは
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