[電力・ローン・保険]価格変動を許容した方が結果的に安くなる
こんにちは、HIBI HOMEです
今回は、家づくりに付帯するサービス等のお金の話です
Looopでんきのような市場連動型のサービスが増えている
一条工務店の施主の間で人気のLooopでんき
基本料が0円なことがウリで、太陽光パネルや蓄電池を持つ一条ハウスととても相性の良いサービスです
しかし、2022年末から電力単価が市場連動性になったことで
電気代が高く請求されてしまうのではないか?などと
契約を少し悩む施主さんを時折見かけます
よく考えると、社会全体で最近価格が変動するサービスが増えてますよね
おそらくこれはインターネットとAIが普及したことが原因で
航空券やホテルの価格を皮切りに、スポーツのチケットなどにも
ダイナミックプライシングが導入されていますよね
ついに電力業界にもその波が来てしまったというわけです
※電力事業者の仕入れの世界ではJPEXという電力の卸売り市場がずいぶん前からあったわけですが、その値動きが家計に直結するようになったのは時代の変化を感じます
人は安定を求めてしまう
ヤフオクとかもそうですが
価格がリアルタイムに変動すると
「このままどんどん高くなったら困る!」
といった感じでなんかドキドキしますよね
未来の不確実性が高いほど
(例え安くなる可能性が同じくらいあるとしても)
人は不安を抱いてしまう傾向にありますから
なんとなく単価が固定されている方が安心に感じるのは当然っちゃ当然です
そのことを旧来の電力会社はおそらく理解していて
以前までは電力単価が固定されたサービスが展開され
一部の価格変動部分については燃料費調整額というちょっとわかりにくい指標を使って
消費者から目をそらしていた
そんなイメージなのかなと想像します
許容可能なリスクを積極的に取れる人が得をする
当然、リスクが小さい方がベターなのは疑いようがありません
電力価格のようなサービス単価の平均値が結果的に同じなら
変動価格よりも固定価格の方が嬉しいのは当たり前です
そう、平均値が同じなら
(え?平均値違うの?)
違います
一般的に安いのは変動の方なのです
その理由は
固定価格でサービスを提供する会社は
仕入れ価格が上昇しても自社が赤字にならないよう利益率に余裕を持っているからです
一方で、変動価格でサービスを提供する会社は
仕入れ価格が上昇しても堂々と一定の利益を載せて顧客に提供することもできるため
その利益額に余裕を無駄に持たせる必要がないのです
そのため、調達価格が安いときには安いサービスを提供できることで
平均的には安い価格のサービスを提供しつつ
会社も安定的に利益を確保することができるのです
ちょっと表現の仕方を変えると
固定価格と変動価格では
価格変動リスクを誰が負うかが違っているとも言えます
消費者への提供価格が固定の場合は
調達価格が上昇したときの会計リスクを業者側が負う方式と解釈できます
すなわち業者にリスクを負ってもらう分、消費者は日常的に高いお金を支払わなくてはいけないのです
これを踏まえると、価格変動のあるサービスに契約して
価格変動リスクを自分が許容できる範疇で受け入れてしまった方が
長期的に業者に支払うお金少なくなると考えられます
すなわち、自らリスクを取る勇気が重要になるのです
あるリスクが許容可能かどうかは、人によって異な部分があるかもしれません
「毎月の電力代金が突然1万円上がるだけでも大きなリスクだ!」
そういう方もいらっしゃるでしょう
そのようなとき
個人的には、その判断を精神的なところだけで判断せずに
「そのリスクは、家計が破綻したり、制限された暮らしを強いられるレベルか?」
「一時的な支出増が落ち着くまでに貯金がなくなってしまうほどのリスク
か?」
という数字的な目線で判断することが客観的に考えるコツです
これをまじめに考えると、精神的な部分も落ち着いてきたりしますのでお勧めです
固定価格と変動価格がある典型的なサービス
住宅ローン
住宅ローンの変動金利と固定金利は、まさに利率の平均値が大きく乖離している典型例ですね
一般的な固定金利の場合、35年もの間支払い額を一定にしてくれるわけですから
自分たちは家計の設計がしやすい代わりに、銀行さんに相当な価格変動リスクを負わせているわけです
だからこんなに変動金利と金利差がかけ離れているわけですね
ちなみに固定金利にも10年間固定などという、変動金利との中間メニューのようなものがあり
価格を固定する期間が短い代わりに利率が安めに設定されています
この固定期間と利率のトレードオフは、銀行側が請け負うリスクの大きさを考えると納得がいきますね
電力料金
まだそこまで多くないですが、Looopでんきのような市場連動型の電力会社が登場しています
従来は電力の単価は固定されているのが通常であり
長らく事業者側がエネルギー調達価格の変動リスクを負わされてきました
各電力会社は異なるエネルギー源や独自のエネルギー調達経路を駆使して
できるだけ調達価格の変動幅が小さくなるよう(価格変動リスクが小さくなるよう)に配分を調整しています
とはいえ、ウクライナ情勢など大ごとがあったときには
調達価格が上昇してしまうため、やはりリスクがゼロになるわけではないのです
※特に日本は多くの原子力発電所を停止してしまったので、エネルギー時給率が下がって輸入依存となるリスクの大きい状態が続いています
なので、住宅ローンほどではないですが固定単価の会社よりも市場連動型電力会社の平均価格の方が結果的に安くなることが考えられます
火災保険
保険というのは、お金を払うことでリスクを業者になすりつけることができるサービスと言えます
消費者が元々抱えるリスクというのは
火災や地震によって家が倒壊したり損傷したときに、生活を復旧させるときに膨大なお金がかかるという点です
それに対して保険会社は消費者から定期的に保険料をもらうことで
そのようなリスクを肩代わりする役を引き受けているわけですね
ちなみに保険会社に支払う金額に対して
消費者側が保険金を請求して返ってくる金額の割合は
平均的に60%程度と言われているようです
ということは、保険に加入しないでいざというとき生活復旧費を自己負担する判断と比べると
40%も損失するということです
これが、リスクを他者に負ってもらうための費用に相当します
ちなみに、従来火災保険は10年更新のサービスでしたが
最近は5年更新を基本とした契約が主流になりつつあります
これは、近年の異常気象などの影響から、将来の保険会社から被保険者に払うべき保険金が数年で急激に上昇することがあるためで
定期的に見直して(金額を上げて)、保険会社の経営リスクを減らそう、という意図が見えてくるわけですね
(おそらく安くなることはないと思います)
保険に関して言うと、リスクを肩代わりしてもらうための費用が結構大きいですよね
しかも、その費用は今後上がる可能性があるとなるとそれ自体が家計を圧迫することになりかねません
なので途中でも申し上げた通り
貯金などを使って自分で負える部分があるなら、リスクを自分で負うのも経済的な手段だということが今回伝えたいことでした
さいごに
大抵の物事について
他人にリスクを負うことを勧めるような発信がされることは少ないはずです
なぜなら、発信者がその影響を受けて失敗した人の責任持てないですから
でも、必ずしも必要でないところまでリスクを減らすような情報ばかりになってしまう世の中も良くありません
今回の話はそういった情報とあえて真逆を行って
世の中の情報のバランスを取っていくことを意識したものでもあります
ぜひ「自分で責任を負える範囲で」リスクを負って経済的な生活を送ってください
この投稿が、リスクをとるか悩んでいる人の背中を押す投稿になったら幸いです
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
我々は「家の勉強は楽しい!」をモットーに
2023年に高気密高断熱な注文住宅メーカー一条工務店と契約してから得た、家づくりのノウハウを発信しています
性能面は理系の夫が
間取り・デザイン面は妻が中心に日々勉強しています
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