久保選手の調子の波とソシエダの現状(24/09/04現在)
久保選手は調子の波が大きい選手と言われることがよくある。
しかし、果たして本当に調子の波が大きいのだろうか?
そのためにはまず調子が良いと言われるときはどういう時か知る必要がある。
それはどういう時か。
最もわかりやすいのは得点やアシストをするときである。
もうひとつはラリーガの上位チーム。すなわち、レアルマドリード、バルセロナ、アトレティコマドリード(以下、上位3チーム)を相手に活躍するときである。
とりわけ、上位3チームを相手に印象的な活躍をするがその他のチーム相手にはあまり活躍できないことから調子の波が「大きい」選手と言われているのだろう。
しかし、なぜ上位3チーム相手に活躍できるのか?
それは考えるまでもなく、久保対策をしているかどうかの違いと言える。
上位3チームは当然のことながらディフェンスもトップレベルなわけだから、警戒こそすれ久保対策をしなくても久保選手を止められなければならない。
しかし、久保選手は1対1であれば相手がトップレベルであろうがほぼアンストッパブル。結果、試合途中や後半から久保対策をするということも見られるわけである。
しかし、レアルマドリードではトップレベルのプライドと、さらには久保選手を放出した経緯から、久保対策をするということは間違いを認めることになる。それゆえ、あからさまな久保対策は難しい。そのため、久保選手はレアルマドリード戦ではとりわけ印象的な活躍をすることが多いのではないかというふうに考えられる。
以上のことから、昨シーズンの終盤での調子が悪いだとか、調子の波が大きいという論調には同意しかねるのである。
さらに言えば、もし久保選手がトップレベルのチームに移籍した場合、毎試合レアルマドリード戦の時と同じような活躍ができるということである。
さて、このようないわゆる久保対策の元凶になってしまっているソシエダのチーム状況であるが、現状は久保選手加入以来最悪と言っていいと思われる。
右サイドの久保選手を唯一と言えるかもしれないほどサポートしていたトラオレが今期絶望のけがをしてしまった。
久保対策をされるなかでもある程度の結果を出すことができていたのはトラオレの存在が大きい。それが今シーズンいなくなるわけだから、右サイドで出場が続く場合は昨シーズンよりゴールやアシストが減ると考えるのが妥当だろう。
これはソシエダ自体も低迷することを意味している。
なぜなら、久保選手が得点を取った試合はいまだに負けておらず、特にリーグ戦では16戦15勝1分けである。
この状況をどう打開するだろうか。
個人的には久保選手をトップ下かシャドーにして、ある程度の自由を与えるべきと考える。
これだけでもおそらくかなり改善されると思われるが、そのような采配をするとは思えない。
しかも、最近の試合を見るとセルヒオゴメスを中心に据えるような感じが窺える。
セルヒオゴメスも良い選手であると思うが、今わかる範囲では良くも悪くもソシエダレベル。
ソシエダでは抜けたレベルの久保選手を中心にする感じが見えないのだから、ソシエダの低迷はほぼ間違いないのではないだろうか。
この予想を覆すほどの結果を今シーズン得られれば良いが、久保選手は今の状況を考えると移籍したほうがよい。
正直、久保選手の能力、ソシエダでの今までの功績を考えると明らかに扱いは悪い。これはクラブの扱いという意味ではなく、ピッチ内での扱いという意味である。つまり、アルグアシル監督の問題だということである。
果たしてアルグアシル監督の中で久保選手はどういう立ち位置にあるのか。
代表戦明けの最初の数試合で、今の現有戦力において、久保選手をトップ下、もしくはシャドーとして自由を与えない場合、冬の移籍も視野に入れたほうがいいような気がする。
仮に、現在試合に出られる選手で最も最適なメンバーとフォーメーションを考えるとしたらどうなるだろうか。
フォーメーションは4-2-3-1かダイヤモンド型の4-4-2かもしれない。
ゴールキーパーはレミーロ。
ディフェンスはかなり難しい。
センターバックはスベルディアがケガ明けの影響かかなり悪い状態。パチェコもかなり怪しい。新加入のモロッコ代表アゲルドと若手のマルティンを試すしかないか。
サイドバックは左はハビロペス。右がムニョスになるのだろうか。
書いていてもディフェンスはかなり厳しい状況だと言える。
中盤はスビメンディ、セルヒオゴメス、久保、ベッカー。
最近のトゥリエンテスはかなりあやしい。
前線はオヤルサバルとオスカールソン。
ヘタフェ戦でデビューしたオスカールソンを見ると、4-2-3-1のトップにオスカールソンでトップ下に久保が攻撃面では一番良さそうだが、他のポジションとの兼ね合いで難しくなりそう。
どうやら、ダイヤモンド型の4-4-2が良さそうに見える。
シルバがやっていた位置はもちろん久保選手。
久保選手はボールに触れる回数を増やした方が絶対に良い。
結果、
GKレミーロ
DFハビ・ロペス、アゲルド、マルティン、ムニョス
MFスビメンディ、セルヒオゴメス、久保、ベッカー
FWオヤルサバル、オスカールソン
うーん・・・。
とにかく、真ん中で久保選手を使うかどうかが鍵だろう。
代表戦明けの最初の試合が奇しくもレアルマドリード戦。
上記の「調子の波」の理由から右サイドで出ても活躍する可能性は十分あるが、あえて真ん中での出場を期待したい。
しかし、やはりと言うかなんだかんだで久保選手がもっとも生きるチームというのはバルセロナなんだろうなと思ってしまうのは歯がゆいところである。