イングランド代表は勝っても負けても珍グランド
ユーロ2024はスペインが優勝した。
その一方でまたしてもイングランドはタイトルに手が届かなかった。
ケインの無冠力なのか、サウスゲートの呪いなのか・・・。
強いのかどうかよくわからないが、グループステージもなんだかんだで突破し、決勝まで進んでいるというのがイングランド。
しかし、なんだかんだで批判されるのもイングランド。他のナショナルチームではジャイキリをくらってもタイトルを逃してもそこまで批判はされていないような気がするし、ましてや「珍グランド」のような揶揄をされることもない。
それがなぜかと考えるのだが、ひとえに、控えも含めたメンバーが豪華であることが理由だろう。
でも思うのだが、なぜメンバーが「豪華」と言えるのかということなんだが、それは招集されるほとんどの選手がプレミアリーグに所属しているからということを前提にしていると思う。
つまり、世界最高リーグと呼ばれているプレミアリーグから招集されているのだから、強いのは当たり前だという考えによるもの。
もし、プレミアリーグが世界最高のリーグでなければ、「豪華」ということにもならないし、批判もそこまでにはならないだろう。
そもそもプレミアリーグは何が世界最高なのか?
個人的にはふたつあると思う。
ひとつはお金が潤沢。
もうひとつはフィジカルを中心とした現代フットボール。
この2点においては確かに世界最高リーグだと思う。
しかし、2点目のフィジカルを中心としたフットボールだけでは通用しないことをスペインが示した。
ただし、ほとんどのリーグやチームでフィジカルを中心としたフットボール化が進んでいるので、結果的にイングランド代表はある程度の結果を出せているのではないだろうか。
それでもやはり、ナショナルチームの戦いでは多くの国の選手がプレミアリーグ以外のリーグに所属していることもあり、プレミアリーグのような試合展開にはならない。これもイングランド代表が批判の対象になっていることの理由だろう。
プレミアリーグはチャンピオンズリーグでも結果を残しているのだから、やはり世界最高リーグだという意見もあるだろう。
しかし、プレミアの上位クラブを見ると、実に多国籍である。ということは、そのほとんどの選手がプレミアリーグに移籍する前に他のリーグを経験している。これがチャンピオンズリーグでも結果を残せている要因なのではないか。
一方、イングランド代表はそのほとんどがプレミアリーグ所属であり、プレミアリーグでの経験しかない。
ユーロ2024でグループステージ突破とベスト16突破の要因が、役割の違いはあれど、ラ・リーガのレアル・マドリードに所属しているベリンガムであるのは実に皮肉なことである。
イングランド代表はそのほとんどがプレミアリーグに所属しているため疲労があるという考え方もある。
しかし、これは以下の3つの理由から言い訳にしてはならないと思っている。
1.プレミアリーグ以外の選手を招集することが可能
2.代表レベルの選手はプレミアリーグ以外に移籍すればよい
3.イングランドのサッカー協会が試合数を減らせばいい
上記3つはできることであり、また、ナショナルチームの大会があることもわかっているので、なおさら対策をすべきことである。それをせずに勝てない理由だけを上げるのは怠慢というものである。
以上の理由から、イングランド代表、プレミアリーグ(フィジカル中心の現代フットボール)というものがどういうものかを再考する余地があると思う。
まあ、これは個人的な意見であり、往年の名監督や名選手がフィジカル中心のサッカーに苦言を呈しているのと同意見であるにすぎないし、現代フットボールが好きだという人もそれはそれでいいと思う。
これは単に、自分は、ボールを扱った技術、チームとしてのサッカーを好んでいるということにすぎない。