PKは運なのか?
ワールドカップ、クロアチア戦。
延長戦でも決まらず、PKの末、負けてしまった。
多くの人が悔しいと思っているということは、選手はそれ以上に悔しいだろう。特にPK戦決着というのが何とも言えないところである。
しかし、PK戦というのは果たして運なのだろうか?
個人的にはそうは思わない。
まず第一に、右利きなら右上隅、左利きなら左上隅のコースで、適切なシュートスピードならば、キーパーは防ぐことができない。
特に、キーパーの初動位置がゴールの真ん中で、キッカーがボールを蹴った瞬間と同時に動いた場合、人間の身体能力を考えればほぼ間違いなく防ぐことは不可能と言える。
ならばなぜ、そこを狙わないのか。
シュートというのは上を狙えば狙うほど、そして強く打とうとすればするほどコントロールが難しくなり、枠外に飛ぶ可能性が高くなる。
キッカーは枠外に飛ばすことを避けようとすると、ゴロのボールになり、かつ威力は弱くなりがちである。その結果コースも甘くなる。これはキーパーとしては予測しやすく、予測をはずしてもコースが甘いので足に当たったりすることがある。クロアチア戦の日本がそのような感じのシュートであったと思う。
この点においてすでに技術と心理という二つの要素があり、運の要素はないと言える。
一方、キーパーはどうだろうか?
キッカーがボールを蹴るとき、基本的に軸足のつま先は蹴る方向を向く。これを見てから反応して止めるのは難しいが、例えば、助走、蹴る前の視線など、人は何かを行うとき多くのサインを出している。そのサインを見逃さないことである程度の予測に役立つだろう。これは運ではなく紛れもなく技術である。
ただし、サッカーの中でも割と特殊なルールであるPKにおいて、どこまで対策をすべきなのかはわからない。
このような対策をしない場合、キッカーもキーパーも「運」に頼るしかないだろう。
いずれにせよ、PK自体が運であるという意見には個人的には反対である。