ドイツ戦の勝利は何だったんだろうか?

「一喜一憂しすぎるな!」

ドイツ戦後すぐのピッチ上での森保監督の言葉である。

最初は頭の中に「?」が踊った。一喜一憂の使い方はそれで合っているのだろうかと・・・。
まさかこの時すでにコスタリカ戦で負けることを宣言していたとは考えなかった。

冗談はさておき、素人目線でコスタリカ戦について整理してみる。

まず、スタメン。
どうやら決勝トーナメントを見据えてのローテーションということらしいが、決勝トーナメント進出が決まっていない中でそれを見据えられるほど日本は強豪国ではない。ましてや最終戦はスペインで、勝てる可能性が低いことを考えたら、コスタリカ戦は確実に勝ちにいかなくてはならないことは明白である。さらに、結果論になるが、コスタリカ戦で勝っていれば決勝トーナメント進出は決定していた。


コスタリカは引いて守ってカウンターを狙ってくるだろうということは予想されていた。ならばゴール前のスペースはほとんどないと言っていい。そこをこじ開けるためには狭いスペースでのプレーが得意な南野選手や久保選手を使ってもよかったのではないだろうか。特に久保選手は堂安選手との相性が良く、トップ下と右サイドを入れ替えながらプレーし、相手を混乱させることができる。鎌田選手の調子があまり良くなかったことを考えると、トップ下は久保選手が良かったように思う。

結果的に上田選手のワントップが上手く機能していなかったので、そこを南野選手をスタメンにするというのはあってもよかっただろう。


交代策に関して。
後半開始時に長友選手と上田選手に代わり、伊藤洋選手と浅野選手。
毎回交代が前提の長友選手のスタメン起用はどうなのだろうか。交代枠が5人に増えたとはいえ、けがなどのイレギュラー的な交代だって考えられる。変化が必要だったのかもしれないが、長友選手自身もそんなに悪いプレーをしていたようには見えなかった。
浅野選手もスピードを活かすには展開が向いていない。上背があってクロスボールにヘディングで合わせられる町野選手の方が良かったように思う。特に、伊東純也選手が右からクロスを上げる場合、浮き球になる可能性が高かったわけで、そのクロスに合わせられる選手がいなかった。

一方、左サイドでは三笘選手が投入されたわけだが、その三笘選手になかなかボールが入らなかった。左サイドの伊藤洋選手が三笘選手に出さなかったのか、出せなかったのかどちらなのかということが疑問になる。
三笘選手が入ってきたということは、三笘選手を使っていくということだから、そこにパスが入らないということは、出さなかったのではなく、出せなかったと考える方が妥当だろう。
さらに三笘選手のスペースを潰してしまった伊藤洋選手は、三笘選手のプレースタイルを理解していなかったと考えることができる。ファンでもあそこで三笘選手が一対一になったらどうするか、何ができるかは理解しているわけだから、少々お粗末だったのではないだろうか。とはいえ、これは初めから監督なりコーチが指示しておくべきことだろう。

あとは最終ラインから縦パスが全く入らなかったことと、ミドルシュートがなかったことが気になった。冨安選手がいればと思うが、けがだから仕方ない。
守田選手の代わりに柴崎選手を使うという案があってもよかった気がする。


しかしまあ、ドイツ戦は何だったんだろうかと・・・。
コスタリカ戦はいつも通りの森保監督の采配。選手の責任もあるのだろうが、どの選手を使うのかを決めるのは監督。いつも通り安定してモヤモヤした代表戦だった。おそらく、コスタリカには負けたことがなかったというのも今回の采配に影響したのだろうと思う。
最善の選択をして負けたのなら、ファンも批判的なことは言わないのだろうけど、一戦でもツッコミどころが多すぎる上に、それが代表戦の度にあるからいろいろと言いたくもなるのだろう。

いずれにせよ、まだ終わったわけではない。
スペイン戦で勝つことを祈るのみである。

いいなと思ったら応援しよう!