辰巳芳子著「慎みを食卓に〜その一例」
こんにちは。ひばり調理室のこんどうです。上田市真田町の山里で、惣菜やお弁当を作って届ける小商いをしています。
子どもの頃から料理本を見るのが好きです。どんどん集めて眺めては人にあげたり貸したりし、またどんどん集めるという無尽蔵タイプです。(無尽蔵の使い方あってますか)
専門書もエッセイも、新聞のレシピコーナーも、料理に関する読みものはなんでも好きです。
今日ご紹介したいのは10年以上前に買い、何度も読み返したこちら。
梅しごとはもちろん、干物づくり、おせちまで四季の流れに沿って紹介された一冊。
暮らしの中でどのようにして料理を行うのか。いわんとする日本の精神性みたいなものが、ひしひしと伝わってきます。辰巳芳子さんの凛とした言葉を読んでいると、自然と正座になりそう。
昔ながらの料理を紹介するだけの本と違って、前衛的なところがあるのもこの本の特徴です。イワシが穫れなくなったときの対策に、新しい出汁を提案したり、はたまた「スーパーミール」という、穀物を使った料理を紹介したり。
伝統文化と今を結ぶ"家庭の料理"には、何が求められるのか。「しっかりしなさい」と、ピシャリと叱られたような気分になる一冊です。