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素晴らしかったロッキング・オン
高校生の頃、友達が学校にロッキング・オンという雑誌を持ってきていた。
今とはだいぶ違って、商業とは別のベクトルを持った記事(多くはインタビュー)が載っていて、音楽と人生観について影響を随分と受けた。
写真に挙げた1998年12月号は、表紙の通りジョン・レノンの最後のインタビューが掲載されているほか、ボブ・ディランの1995年頃のインタビュー、ベックとオノ・ヨーコの対談も載っていた。
特にジョン・レノンの言葉は、高校生だったおれにとって全て人間の真実を語っているように思えた。
例えばこんな言葉。
「本当に大切なことは自分自身と向き合うことなんだ。
それはタマネギの皮を1枚1枚めくっていくように大変なことなんだ。」
ロックの席巻は幻想を伴うものだと理解していたレノン。ボブ・ディランにしても、リトル・リチャードの「トゥッティ・フルッティ」だけでは行けるところは限られている、みたいなことを言っていた。
二人が音楽に楽しさ以上のものを求めていることは明らかで、それは追求するに値するものだと高校生のおれに教えてくれた。これから生きていく未知の人生への期待を大きく膨らませてくれたと思う。
今のロッキング・オンは語れるほど読んでいないが、きっとネットでのインスタントな記事に押されてしまっているに違いない。ピクシーズについて知りたければ検索してレビューを読めばspotifyプレイリストに入れる価値があるかわかるだろう。一方で、ロック雑誌でインタビューを読んで、「このバンドは信用できるな。どんなサウンドなんだろう?」みたいな出会い方はとても素晴らしいと思う。
ギターのエフェクトがこれこれで、ということよりも、物事の捉え方、人生への切り口がどうなのかを伝えることができるのがおれにとっての音楽の重要な価値だ。今回はロッキング・オンを紹介したが、考え方と音楽を結びつけることで、よりあなたの気持ちが前を向くことを願っている。
この表紙のレノン、なんかオタク少年のようで良いな~!