今思い返しても、あの日どうしてあんなことをしたのかわからない 会社でトラブル続きで毎日遅くまで働き、疲労困憊だったんだろう。 終電でなんとか着いた最寄り駅からフラフラと家路へと着いていた、雨が降っていなかったことだけが救いだ 風呂に入るのも面倒臭いとか、そんなことを考えていた気がする。 そんなとき 背後から、ことりと、何かが落ちた音がした。 振り返る、さっきまで自分が歩いていた何の変哲もない住宅街の一本道 気が付かなかったのは不自然な位置に、一本のビニール傘が落