令和3年度松本あめ市レポート (2/3)
前回に続いて、令和3年度(2022年1月)の松本あめ市のレポート記事です。
松本あめ市では、開催期間中に各町会が独自の拝殿を設えます。普段は歩道だったり、広場だったり、駐車場だったりするところに突如祭壇と小祠が現れるのです。
各町会ごとに差はありますが、あめ市開催前日に設営し、その夜か、あめ市初日の夜に神事が執り行われます。
松本あめ市にとって、飴と同じかそれ以上に関わりの深い神事。その詳細は後々に記事にするとして、今回と次回の2回に分けて、令和3年度(2022年1月)の松本あめ市で斎行された神事の様子をレポートします。
本町3丁目の神事
昨年同様、東横イン松本駅前本町前の歩道に拝殿が作られました。神事は1月7日(金)17時から開始され、神職2名、参加者は11名。
祝詞奏上中に、神職の1名が大幣(おおぬさ)を振りながら町内をお祓いに歩いて行ったので、後を追いました。
ある角まで来るとそこで一旦立ち止まり、大幣(おおぬさ)を左右に振って1礼してから角を曲がって歩いていきました。各々の角で同様にお祓いをして、拝殿に戻りました。本町3丁目の範囲をお祓いして歩いたと考えて良さそうです。
昨年は拝殿から反時計回りに回ったのですが、今年は時計回りに回りました。回る順序に決まりはないようです。
本町1丁目の神事
1月7日(金)18時から、深志神社内の恵比寿神社で斎行されました。神職2名、参加者は5名。
昨年の神事は朝に斎行されましたが、今年は夜でした。町会の方のご厚意で、拝殿内に上げていただき、間近で見学できました。
町中の騒音がなく、祝詞の内容を聞取れました。内容そのままではありませんが、要旨は次のようなものでした。
松本のあめ市は寛保2年(1742)から続いている。
新型コロナウィルスが拡大している。
ワクチン接種が進んでいるものの、変異株が発生している。
あめ市実行委員がこの度のあめ市を中止した。
本町1丁目も朝の遷座を中止した。
本年も変わらぬ加護を。禍事(まがごと)が収まりますように。
来年は開催できますように。
独特の抑揚があるものの、祝詞は日本語ですので分かりやすくていいですね。
ちなみに『朝の遷座を中止した』の意味は、通例だとあめ市前日の朝、遷座祭といって恵比寿神社内の小祠を街なかに持って行くのですが、あめ市が中止になったために遷座祭も中止し、夜に神社内で神事を行った、ということです。
祝詞奏上中に、神職の1名が大幣(おおぬさ)を持って拝殿外へ出ました。ついて行かなかったのですが、おそらく四方向に向いてお祓いをしたのだと思います。
本町2丁目の神事
本町2丁目は通年通り1月7日(金)朝に遷座祭を行い、深志神社内の市神社にある小祠が信毎メディアガーデン前へと遷りました。
この朝の遷座祭は見学できなかったのですが、その夜18時45分からは、信毎メディアガーデン前に作られた拝殿(御旅所)で神事が行われました。神職2名、参加者11名。テレビも取材していました(この模様が1月28日(金)の『フォーカス信州』で放送されました)。
神事の様子は昨年と同様の印象でした。