未経験エンジニアとして就職するための一番賢い勉強方法をレクチャー
毎年、多くの方がWebサイト制作を学び始め、転職活動に勤しんでいます。
HTMLやCSS、JavaScriptを身につけようと、様々な取り組みをおこない頑張っておられるかと思います。
あなた:
「はい、インターネットや書店に置いてある教材で順当に学んでいます」
しかしながら、あなたのその勉強の方法が間違っていたら、と考えたことはありませんか?
あなた:
「いや、自分はイケてるものを作れている自信がある」
見栄えの良いポートフォリオサイトを制作しようと、〈かっこいいレイアウトや動きを表現するためのCSSやJavaScript〉を身につけるために、日々奮闘している方もいらっしゃると思います。
でも、採用担当者がそんなところは見ていないとしたら、どうでしょうか?
内定の決め手は、実は単純な実装力ではありません。
そんなお話を、Web制作会社でチーフエンジニアを担当した経験からお話します。
チーフエンジニアとは?
主にスタッフへの仕事の割り振りや教育、評価をおこない、エンジニア職の採用担当も務めます。もちろんスタッフ同等以上に案件もこなします。
Web制作業界の人材事情
Web制作業界は常に人手が足りない
多分これから先もずっとそう。
でもこの話。ちょっとだけ違います。
単に人手が足りないのではなく、優秀なエンジニアが足りないということなんです。
……
ここ数年、世間的な風潮もあって「プログラミングをしよう!」と煽られる機会が非常に多くなりました。
IT系の人材の需要が高いことから、仕事につけなくなる心配がなくなったり、場所を選ばずに仕事ができるなどメリットが多く、特にWebサイト制作はプログラミングの中でも最初のハードルが非常に低いことから人気が高いです。
そのため、毎年多くの未経験の方が転職活動をおこなっており、転職希望者で溢れかえっています。
……
一方で、好きじゃないと続けられない業界ということもあり、実は入社しても辞めていく人がかなり多いことも特徴です。
さらに、実力がついてきたエンジニアはスキルアップのために、より優秀なエンジニアが集まる会社に行くか、フリーランスとして独立してしまうので、会社はどんどん人手不足になってしまいます……
Web制作会社の本音
Web制作会社
「人材は流動的で、社内のエンジニアは数年経ったら転職してしまう。新しい優秀な人材を迎えたいが、未経験者しか応募してこない……」
そんな状態ですので、会社もいつまでも〈優秀なエンジニア〉を夢見て待っているばかりじゃいられなくなっています。
そのため、未経験から教育して優秀なエンジニアを生みだそうという取り組みをおこなっています。
しかしながら教育にあまりコストを掛けられないため、〈見込みがある人〉だけを採用したいとも思っています。
〈見込みがある人〉とは、どんな人のことでしょうか?
会社が欲しがる人材
それは、教育コストをあまりかけずとも、自身で成長する見込みのある人のことです。(よく聞く話かもしれませんが、更に要点を絞って説明していますのでお付き合いください。)
つまり就職活動の一番の攻略法は、自分がそういった人間であることをアピールすることです。
では、具体的にどのようにアピールすれば良いのでしょうか。
勉強いっぱいしてるアピール?
得意なCSSやJavaScriptでアピール?
ポートフォリオのかっこよさ、かわいさ、自分らしさでアピール?
実は、採用担当者が見ているところはそういった表面的な成果ではありません。
どういうことかと言うと、多くのポートフォリオは実際の業務の制約やルールに則って作られていないため、自身の都合の良いように作られたものだということです。
「いやいや、それでも実力を詰め込んだ作品なので評価してくださいよ」
と言いたくなるかもしれません。
それに対して、採用担当者はこう返します。
「では、そのポートフォリオにコーディングしたページのデザインデータは載せていますか?」
この質問の意図がわからないうちは、もしかしたら順調な転職活動をおこなうことは難しいかもしれません。
何が言いたいのかというと、結果だけ見せられても何も思うことはないということです。つまり、デザイン通りにコーディングするスキルが有るのかどうかわからないということです。
逆説的に言えば、デザインデータを見せるつもりが無いということは、ある意味で成果物を評価するための基準がわかっていないということになってしまいますので、その時点で〈要点が分かっていない人〉という印象になってしまうわけです。
これはあくまでも就職希望者を評価するための基準の一例に過ぎませんが、採用担当者は他にもいくつかの基準を持っています。
例えば、ソースコードの品質もチェックするでしょう。
ただ、ほとんどの場合ソースコードの品質も良くありません。
「追加や変更が発生した際に修正しやすいコードになっているか」
「他の人が触りやすいようなコードになっているか」
こういった基準をクリアできているコードを、私は未経験の方のポートフォリオからほとんど見たことがありません。
でもぶっちゃけ、そんなことは当たり前なんです。
だって、初心者を対象としたコーディングを教えるサービスや教材では、そんなことは誰も教えてくれないんだもの。
だから結局、皆が皆、それっぽい雰囲気だけのポートフォリオを持って面接にやってくるんです。
だけど逆に言ってしまえば、この流れに逆らうことができれば、他の人とは違う〈良く分かってるやつ〉になれるはずなんです。
採用担当者も、「あ、なんか良さげなやつ来たな」と必ず思います。
じゃあ何をすれば良いのか
〈良く分かってるやつ〉になるためには、もちろん最低限のHTMLやCSS、JavaScriptの知識や実装力を身につけることはとても大切です。
でも、必要以上に華やかに見せるためのコーディングテクニックはいりません。
例えば、洗練されていない斜めのレイアウトや、動線が甘いパララックスアニメーションが実装されたポートフォリオを見せられても、採用担当者にとっては鼻につくだけです。
最悪の場合、見た目だけの中身が無いやつという印象がついてしまうかもしれません。
そういったものは、就職した後に案件をこなせば自然と身につきます。今やるのは時間がもったいないです。
そんなことより、何を重視してコーディングしているのかということを自分の言葉で言えて実践できている人のほうが、成長する見込みが伺えます。
より具体的な例を言えば、
1.
お客様、またはデザイナーに良い仕事をしていると感じてもらうために、デザイン通りの見た目にコーディングできているかどうかは、非常に大切なことだと思っています。
2.
売上を増やすため、または社内の技術向上を促進させるために、常に効率の良いコードの書き方を徹底することを意識しています。
3.
会社で働くということは、自分だけでなくチームで制作しているんだということを自覚して、他の人が触りやすいようなコードを書くよう心がけたいと思っています。
これらは、エンジニアの採用担当者にとって非常に刺さる受け答えです。
でも、口だけではいけません。
ソースコードを見られたら一瞬で見抜かれます。
ですので、前述した3つの具体例を体現したようなHTMLやCSSとはどんなものかを考えながら、コーディングを勉強してみてください。
その結果を、ポートフォリオで表現するよう取り組んでみてください。面接において、これほど心強い武器はないでしょう。
さいごに
今回は、少し抽象的なお話をさせていただきました。
ただ、こういった話は知っているのと知っていないのとでは、同じ勉強をしたときのインプット量に圧倒的な差が生まれますし、面接での受け答えの質もガラリと変わります。
しかしながら、
「前述した3つの具体例を体現したようなHTMLやCSSって、具体的にはどんなコードなんだ?」
と思う方も多いかと思います。
そのあたりの実践的な内容については、より具体的なノウハウを書いた記事を執筆しています。
現在投稿されている記事だと、以下のようなものです。
正しいコーディングの手順をレクチャー
https://note.com/hi_roki/n/n4e889089c4d0
再利用できるセレクタの書き方をレクチャー
https://note.com/hi_roki/n/na9dddd0c161a
今後も執筆していく予定です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
それではまた。