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父の子育てについて

私の父は典型的な一家の大黒柱としての男性を体現しているような父で、父は平日はほとんど会社におり母が育児、家事を行っていた。土日も父は仕事の疲れからか、家にいて横になってテレビを見る時間が多かったように思う。だから、育児に際して父が細かなことを口出しすることはなく、基本的に日常的な事柄に関しての教育や躾は母が行なっていた。とはいえ、父は私が何か口答えしたり、気に触るようなことを意見するとすぐさま「誰のおかげで生活できていると思って いる」と言って、私の言動を抑圧してきた。その度にそれに対して何も言い返すことのできないやりきれなさとどうしてそんなことを言うのだろうという悲しさを感じていた。父は一家の長男であるということをかなり誇りに感じているようだったし、中学生の頃から独り身で育ててくれた 母に対して恩返しをしたい、しっかりしなければという意識があったようである。そんなこともあってか自分が大黒柱でなければならないということを内的規範としていたようであった。しかし、そのアイデンティティが崩されてしまうような事態、父の権威を奪ってしまうような事態が生じた時に、そのことに危機を感じて父は過剰に反応していたように今では思う。今では私が意見するようなことを言ってもそこまで過剰に反応することはなく、大抵のことは傾聴してくれるようになったが、今でも私はあのようなことを言われるのではないかとあまり積極的な、もしかしたら父を傷つけてしまうかもしれない発言はできないでいる。そのことが私の年上の男性に対して服従的な態度を取ることにも表れているように思う。

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