女は子宮で芸術をつくる/草間彌生展/ひとり交換日記
機嫌はすっかり直ったよ。というのも、新国立美術館の草間彌生展に行ってきたから。
この東京ただいまウィーク中、毎日のように予定をはしごして終電で帰ってたから、泊めてくれていた先輩とやっと最後の日におでかけできるの、ずっと楽しみにしてたんだ。むしろ引っ越しした先月から「東京に帰ったら草間彌生展だ〜!」ってこの日を待ってた。待ってたよ〜!
直島を知ったのは、どのカップルの旅行の写真でだっけ?
島全体がアートな島。海をバックにしたぶつぶつのかぼちゃを初めて見た時の印象は強烈だったよね。あれがたぶん、草間彌生を知ったキッカケなはず。
確か11月くらいの高知行きで、県立美術館の草間彌生のイソギンチャクみたいな立体作品を見た時。
「うわっ、子宮だ」って思った。これ、絨毛だ‥って。
よく「子宮で恋をする」みたいな言い方ってするじゃない?同じように、それを見た時に猛烈に「子宮的だな」って感じたの。わたしたち、ここから生まれてここから産める!って。
物凄いパワーだった。そして、今日も物凄いものをたくさん見てしまった。
物凄いものを見た、という感覚が特に強かったのはある一枚の絵。
目や手や□や不思議なモチーフがたくさん描かれていて、「鋼の錬金術師」に出てくる真理の扉みたいだった。そういえばあれも作者さんは女の人だった!って思い出した時、”女ってスゲーな”ってシンプルに浮かんだよ!
泣かないようにするのに必死だった。
圧倒的な生命力だった。生きる、作る、生きる、作るを並行してここまでやってきたんだろうね。だって、今年87歳ですって!
80歳になっても、90歳になっても、女は産めるんだね。
ずっと子供を産むのが夢だったから、叶わなかったなってずっと落ち込んでたでしょ?
でも、産めるよ。なんだって産める。全然遅くなんてない。希望だよね。
charaさんが「子供を産むのは最高のクリエイティブだ」って言ってたじゃない?「スミレ(ちゃん)とヒミ(くん)は私の最高傑作だ」って。
幼なじみのあの子に出産の話を聞いた時も「また何度でも産みたいって思った」って言ってたよね。
そういうもんなのかなって、漠然と思ってた。いいな、わたしも産みたいなって。
Nくんのことがすきで頭が狂ってた時‥「この人の子供が産みたい!」ってめちゃくちゃ思って、遺伝子だけでもくれないかなって言ったらドン引きされたじゃん?(笑)
お母さん、わたしのこと産んで失敗したなって思ってるだろうなってずっと考えてたんだ。というよりも、理想と違ったんだろうなって。こんなはずじゃなかった、って。
だからあの時、どうしてもすきなひとの子供が産みたかったの。だいすきだったから、この人の子供のこともわたし、きっとだいすきになれるって。
そしたらわたし、自分が生まれてきたこと肯定できる、って。
細胞レベルですきだったのにな。細胞がすきって言ってたのに。叶わなかったし、「泡のように嘘だったと消えたり」‥しちゃったね‥。
あんな恋は二度と‥できないかも知れないし、できるかも知れない。
でもね、わたしはお母さんになってみたかっただけなんじゃない?って、今日やっと気付けたよ。試してみたかっただけじゃない?自分だったら自分の子供を愛せるのかどうか。
だからね、こんなに婚活しまくってし尽くしといてナンだけどさ、一つアドバイスするなら、それを目的に結婚相手を探すのは、きっとわたしの性には合ってないと思うんだ。
この人の遺伝子を残したいって、誰かと出逢ってもう一度そう思えたなら、そしたらどうにかしてそうすればいいよ。
産みたいってきっと女の本能だからさ。あらがわなくてもいいし、惨めにもならなくていい。
でも、それが人間の子供じゃなくても、きっとこの世に産めるものたくさんあるよ。
まずそれを探すのもいいかもよ。一緒に考えようよ、また明日から。
いつか、「夜行バスは潜ることと似てる」って言ってたじゃない?
この高知行きのバスも、産道になるといいね。目が覚めたらもっかい生まれよう。
日和より